奥村式資産運用術

先週、日経平均が、ついに1989年のピークを抜けました。今週にかけても、堅調な推移です。

ピークを抜けた後、どうなるのか?

こうしたことを読み解くためのヒントが、過去の相場にかくされています。

前回は、1970年代その1でした。

この時代、日経平均よりもドル円相場および中東情勢で日本経済は大きな影響をうけていますので、そこを掘り下げてみます。

ニクソンショックが起きたことはお伝えしていますね。それまで兌換貨幣であったドルは、金との交換停止(1971/8/16)を機に価値を下げ、固定相場は終わりをつげ変動相場制に移行しました(1973/2/14)。

なぜ、金との交換を停止したのか。戦後、圧倒的な経済力、軍事力で世界を席巻しっていた米国でしたが、次第に日欧も復興をとげ、経済も大きくなってきたのです。

米国の競争力が衰えたというより、日欧の産業が復興したために、(米国の)相対的な競争力が弱くなり、国際収支が悪化してゆきました。

加えて、世界の警察として あちこちで紛争に主体的にかかわり、戦争にまで発展したものまでありました。代表的なものが、中東戦争とベトナム戦争です。

中東では、イスラエルの独立(1948/5/14)以来、アラブ諸国とイスラエルは戦争を繰り返していました。特に第3次中東戦争(1967/6/5)では、エルサレム全域をイスラエルは支配下に置くことに成功し、その後も消耗戦争を継続していました。

アラブ諸国は、イスラエルとは和平せず、交渉せず、承認せず、という原則をとり、1973年には、エジプトがイスラエルに先制攻撃をかけます(第4次中東戦争)、イスラエルはユダヤ教で重要な贖罪日の期間であったこともあり、イスラエルは大打撃を受けました。

この先制攻撃は、2023年10月7日に始まったハマスとの戦争と発端が似ています。
第4次中東戦争は、73年10月6日に始まり、一時はイスラエス側の核兵器の使用まで検討されたといいますが、10月22日、国連安保決議は発効し、25日に停戦しました。

このとき、アラブ側がOPECの決定として、イスラエルを援助する西欧諸国に対して石油価格の引き上げという制裁を加えたのがオイルショックです。70%も価格が上がり、それだけではなく、石油供給の削減なども行いました。
日本では、原油価格が4倍になり、それまでの好景気が吹っ飛びました。1974年には、日本は戦後初めてマイナス成長になります。いわゆるリセッションです。

この時代の、NYdowとNK225を対比させてみました。

経済の状態が、いかに相場に影響を与えるのかは、この対比で明らかです。

これ以外にも1950年から3年間朝鮮戦争などもありました。

また、べトナムが南北に分裂して1964年から戦争を行っていましたが、南側を支援していたのが米国です。米軍はかなり加担したのですが結局1972年初めまでに撤退しました。

とにかく、戦争と戦費によって米国自身が疲弊してドルの価値(強さ)維持できなくなった、という時代であったのです。

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