Y1970年代その1
今週は、先週からの流れを継いで、日経平均が昭和バブル期のピークに並び、そして超えるかどうか、という状況になっています。
過去のピークを超えるまでは、今までの経緯というものが参考になるのですが、ひとたび超えてしまうと経験がないものですし、なかなか、つかみどころがないような心配にも及びますね。
でも、過去、何度もあるピークを越えてきました。
その時のケーススタディをすると、その後どう進んでいったか、どんな背景であったのか、ということがわかります。
いまとどう違うかを明確にしておくことで、今、そして将来を予想するときに役に立とうというものです。
今回は第4回目、1970年代の相場を取り上げます。
この期間の相場を眺めてみましょう。
今回は、ドル円相場も重要な役割を占めるので合わせてプロットしました。
この時の相場は、1971年8月16日に起きた、ニクソンショックから始まりました。それまで金と交換を保証していたドルを交換停止とし、ドル防衛策を発表したのです。
ドル円相場は、ニクソンショックをきっかけに、円は固定相場から変動相場に移行してゆきます。
日経平均は、このショック当日、大暴落しました。
日経平均は、215円下落。
いまにして数字だけ見るとわずかに聞こえますが、この時点では過去最大の下げです。その後も下落が続き、4日で550円も下げたのです。
この550円というのは当時の日経平均の15.4%に相当しますから、今に換算すると、約5千900円もの下げに相当します。
1960年代まで日本は安かろう悪かろうという製品も多々輸出していたのですが、ようやくクォリティの高い良質な工業製品を輸出できるようになったのも70年代に入ってからです。
1970年代には良質の製品輸出ができるようになったことで、ようやく貿易収支がトントンになってきた時期でしたが、オイルショックと重なり大幅な貿易赤字に陥っており、円が強い方がエネルギーを有利に輸入できたのでしょう。
円高時は(輸入に有利なので)株高になっていたのがわかります。
日経平均は円高進行のショックにも慣れてきたこともあって、円高に振れると歩調と合わせて日経平均も上昇してゆきます。
ニクソンショックで1971年8月24日には2162円まで下がった日経平均は、その後1973年3月30日には5233円まで上昇、わずか1年7カ月で142%もの上昇を果たすのです。
でも、そののちに、また下落していますね。その経緯は、また次回にでもお伝えしましょう。
なお、平均株価として東証は今の日経平均を算出していましたが、TOPIXに移行したため、日経新聞社が平均株価を引き継ぎ、日経平均(名称はNSB225)として公表するようになったのもこの時期(1971年)でした。