奥村式資産運用術

バブルの研究3 Y1965

前回、前々回と、日本の株価指数の代表である日経平均が大きく上昇した過去をおさらいしました。今回は、1965年を取り上げます。

1960年代といえば、いろいろな文化、文明が日本に輸入されてきた時代です。

1956年の経済白書では、もはや戦後ではない、という言葉で締めくくられました。
しかし、1950年代は、やはり戦後、だったのだろうと思います。

戦後ではなく戦後の次、の時代が1960年代。
第1回東京オリンピックが開催されたのが1964年10月10日。新幹線はそれに間に合わせるように1964年10月1日に開業されたのですが、文化や文明が一気に息吹いたのが1960年代だったのだろうと思います。

景気循環としては、第5循環(1962/10-1965/10)がオリンピック景気でした。
この循環の最後期は東京オリンピックも終わり、金融引き締めもあったので、宴会という気持ちも終わり、経済成長も終わり、大型倒産が相次ぎました。

大手証券の一角であった山一證券が倒産しかかったのが1965年5月、この時が相場は底でした。結局、山一は日銀特融を受け破産を免れ、経済を成長を維持します。

そのあとの相場の上昇が凄いのです。
みてみましょう。

終値ベースで1965年7月12日に1020円だった平均株価は、1966年4月1日には1588円というピークをつけています。

9カ月で56%の上昇でした。

これだけ短期で56%上昇とは、いやはや、凄い。

今に例えると、2月8日の日経平均は36,897円ですから、9カ月後の今年の9月1日には、57,545円にまで上昇することと等しい率なんです。

注目すべきは、9か月後の、ピークをつけた後の推移です。
グラフ上に赤線で示した部分です。

1967年1月10日に、1364円まで下がりましたが、これは、下落率に換算すると、たった14.1%にすぎません。

上昇幅(56%)の1/4(14.1%)しか下落しなかったわけですね。

こうした過去の推移が何らかの参考になれば幸いです。