先週は、24-26の日程でジャクソンホールでシンポジウムがありました。
このシンポジウムは、世界中央銀行会議ともいうべきイベントです。
24日は夕方から親睦会があるのみで、シンポジウム自体は25-26の日程で行われました。
25日は、さっそくパウエル議長が登場し、政策金利に関する話をしています。
パウエル議長が登場するその時刻は日本では25日金曜日の夜間にあたるのですが、
なぜかこの日の相場は前日より日経平均は 663円も下げていました。
これは、2%の下げに相当します。
このあたりの相場の動きを、あらためてみておきましょう。
時間軸は日本時間で合わせています。
日経平均がこんなに下げたのは、おそらく、24日のNYダウが、パウエル議長が話すかもしれない
利上げ懸念に反応して、1%下落して終えたからでしょう。
米国の利上げ懸念が米国の相場を神経質にさせるのはわかります。
米国の株価が下げる理由はありましたが、日本の株がその倍も下げる理由にはならないのです。
前日に当事者である米国自身がNY市場で1%しか下げていないのに関係ない日本が2%も下げるのはおかしな話です。
日本は下げても1%まで(であるべきであり)、2%も下げるのはオーバーシュートである、と気が付く必要があります。
これに気が付けば、25金曜日のザラバ中に、つまり大きく下げていた時間帯で、買いをいれることができたでしょう。
その時の期待リターンは、米国と同じように下げたとして許容できる1%下げ程度まで戻すことです。
ただ、もともと、パウエル議長が事前に圧倒的に重要なことを話す、
なんてことは想定されていなかったのですから、米国の1%の下げすらも、早とちりなのです。
とすると、日経平均は、25日の相場から2%は上昇するのが当然、そのオーバーシュートを利用して
利益を出すことができたわけですね。
少しだけ、こうしたことを気にするだけで、あまりリスクをとらずにしっかりリ利ザヤを抜けます。
メンタルを鍛えるとかいうよりも、金融リテラシーを磨いて予想精度があげる方が、
効率の良いトレードを生みます。
どうせメンタルは場慣れと小さな勝利の積み重ねで勝手に強くなります。
奥村 尚