From:奥村尚
東京のオフィスより、、、
毎年、8月15日になると、
日本では戦時中の話が
必ずTV番組として表に出てきます。
歴史から学ぼうという姿勢ですね。
今回は、
世界金融の中でこれと似たことが、
毎年8月末に起こる、
という話をします。
アメリカ合衆国に、
ワイオミング州という
西部に位置する州がありますが、
人口が50州の中で一番少なく,
58万人しかいません。
イエローストーン国立公園があり、
州の土地半分が政府保有です。
とにかく広大な自然に囲まれたところで
ジャクソンホールマウンテンリゾートは、
米国の中でも屈指の高級リゾートととして
有名なスキー場です。
ここジャクソンホールでは、1978年以降、
経済政策シンポジウムが開催されています。
1982年からはジャクソン湖ロッジで
開催されるようになりました。
主催は、カンザスシティー連銀です。
これが、いわゆる、
『ジャクソンホール会議』です。
ジャクソン湖ロッジは、
このようなたたずまいです。
窓全てが絵画のような眺め、
と紹介されています。
(カンザスシティ連銀HP
ジャクソンホール読本より引用)
このロッジは、
国立公園内の施設で一般に開放されていて、
古いせいもあって
簡素な作りで、スパやサロンはありません。
参加者は避暑地ですし、
カジュアルな服装でリラックスして参加する上、
公式な会議ではないので、
つい本音が出る事で有名になり、
メディアはこぞって
インタビュー取材しまくるんです。
さて、今年は、この会議(シンポジウム形式)は
25-27の3日間の日程で行われ、
40か国を超える世界中の中央銀行総裁や
さまざまな首脳、経済学者が招待されます。
今年のテーマは、
「リセッションと経済と政策の関係」です。
過去、
インフレに甘い態度を示したFRB議長バーンズや
ミラーの後任ボルカーFRB議長は、
その後しりぬぐいで物価高を抑えるために
金融引き締めを余儀なくされ、
米経済をリセッションに陥れてでも
物価を下落させました。
1998年のロシア金融危機で
ヘッジファンドLTCMが破綻した時期、
このシンポジウムでFRB議長である
グリーンスパンを交えたFRB上層部の
意見調整によって
9月の利下げにつながりました。
こうした過去との関係も、
今後の振る舞いと合わせて
ニュースになることでしょう。
会議の中身は、
色々なニュースサイトでレポートされ、
生中継されます。
27(日曜日)が楽しみです。
40年以上にわたるシンポジウムの歴史が
読本になって公開されています。
興味のある方はぜひどうぞ。
https://www.kansascityfed.org/AboutUs/documents/6509/inlateaugust.pdf
奥村尚