世界の企業価値である時価総額をみる
企業価値を数字で示す場合、時価総額、という概念で金額にします。
時価総額=株価x発行済み株式数
で計算されます。
よく誤解されるのですが、株価が高いほど企業価値が高い、と思いがちですが、
株価が高くても、発行済み株式数が少なければ、企業価値は低くなります。
逆に、株価が安くても、発行済み株式数が多ければ、企業価値は高くなるわけです。
され、世界で最も企業価値がある会社は、どこでしょう。
米国のハイテク企業です。
具体的な上位5社をみてみましょう。
(10億USD)
アップル 3587
マイクロソフト 3148 (538兆円)
エヌビディア 3385 (508兆円)
アマゾン 2185 (328兆円)
アルファベット 1930 (289兆円)
(ドルベース、11月末日の終値、ドル円レートは 150円で計算)
この5社を合計すると、1663兆円になります。
東証の時価総額は、
プライム 930兆円
スタンダード 27兆円
グロース 7兆円
(11月末,1兆以下四捨五入)
でした。
ぜんぶ合わせても 964兆円なので、日本の上場企業の価値の合計が964兆円であると言えます。
米国上位5社だけで、日本のすべての上場企業の価値を合わせたものより、73%も大きい、ということですね。
参考までに、日本企業のベスト5は、以下のようです。
トヨタ 41兆円
MUFG 22兆円
SONY 19兆円
日立製作所 18兆円
リクルート 17兆円
(11月末日、1兆以下四捨五入)
日本らしく、金融と製造が強いことがわかります。
米国と比較すると、すべてハイテクです。
ハイテクの良いところは、原価を上昇させずに市場のスケールメリットを享受できることです。
たとえば、マイクロソフトのゲームやwindowsソフトは、開発するのに大変なリソース、つまり時間もカネもかかります。
でも一旦できてしまえば、ダウンロードさせるだけで打ち上げが入りますね。1個でも100個でも原価は変わりませんから、多く売れば売るほど、莫大な利益になります。
では、トヨタの車はどうでしょうか?
1つの車を開発するには多大なる先行投資が必要ですね。ここまではマイクロソフトも同じ。
でも、クルマを量産するには、原価がとてもかかります。拡販するには、多大なるネットワークや人件費がかかります。
ダウンロードさせてネットワークで課金して終わり、という販売とは全く異なるわけです。
トヨタは何年も前から、時価総額はあまり変わっていません。
でも、ハイテク企業は、もの凄い勢いで、時価総額を伸ばしているんです。
成長性に差が出ているんですね。
ちょっと、日米top2社の、10年間の成長推移をみてみましょう
成長とは、ここでは企業価値、つまり時価総額の推移をとってあります。
いかがでしょうか。
日米、それぞれが寄り添って、似た動きをしています。
スケーラブルなビジネスを行っているかどうかが、勝敗を分けている事が実によくわかりますね。