トランプハネムーンを振り返る
今回の大統領選は、どのTV局も力を入れて報道していましたね。
さて。米大統領選は、11月の第一月曜の翌日、と定められています。
1800年代にさだめられた法律に、今も従っているんですね。
今年は11月5日が投票日でした。
あまり(いや、全然)報道はされませんでしたが、
上院議員(任期6年)の1/3が2年ごとに改正され、大統領選と同時に改選されます。
今までは民主党が過半数(51/100)を握っていたのですが、
今回の上院改選で共和党が過半を握りました。
下院は任期2年で、大統領選と同時に全員が改選されます。
今までは共和党が過半数(220/435)を握っていたのですが、今回の下院改選で、共和党が
過半を握る流れになっています(11/12の時点では、まだ確定はしていません)。
ついでにいうと、州知事(任期4年)も合わせて改選する州がおおいのです.
まだ誰になるかの確定はしていません
大統領選がある、4年おきに、こうしたイベントがあるんですね。
ちなみに、2年おきに上院、下院の選挙、および州知事の選挙があります。
この結果は大統領就任後の2年間での通知表としての意味があるため、
中間選挙とも呼びます。
さて、少し前の話ですが、
2016年の米大統領選では、トランプ候補が(ヒラリー)クリントン候補を破り、米大統領に選出されました。
その時の株式相場は、ものすごい連日の高騰があったことを覚えている方も多いと思います。
大統領が選ばれてからのしばらくは、ハネムーンといって、期待に胸ふくらみ、
相場もフワフワして上昇しやすいのですが、この時は格別でした。
ちょっと、みてみましょう。
投票日(まだ結果がわからない段階)を100として2016年年末まで、
日米株式相場を指数化しました。
当時は、NYdowが一気に10%も上昇をし、その上昇は持続して世界相場を引っ張りました。
それに日経平均がずっと寄り添う形でついて行った、という歩みでした。
今年は、さすがにNYdowが一気に10%も上昇することはありません。
まだ1週間しか経過していませんので、なんともいえませんが、大きな変化もなく、冷静です。
先ほどのグラフと縦のスケールはそろえていますが、横軸が異なるので、
傾きの大きさはこのままでは比較できない子世にご注意ください。
まだハネムーンに出発していない、という感じにも見えます.
もしかすると、このままハネムーンはなし、になるかもしれません。
これは、経済的な不安要素が入り乱れているから、と言い換えることができます。
輸入品の関税を上げて国内の産業を守る、
という政策は、生活者にとっては、割高で質の低い米国産の購入を
強いられることになりますし、輸入物価上昇につながります。
不法移民の大量国外追放は、
単純労働賃金を上昇させ、人件費高騰につながり、
外食費を中心とする物価を上昇させます。
一方、クリーンエネルギー政策の抑制は、
短期的には自動車産業を復活させる一方、原油価格の高騰を招きます。
こうした懸念がある一方、強い米国への期待もあり、
プラスマイナス、イーブン、若干プラスが強い感,
というのが今の状況、といえましょう。
実際に大統領に就任するのは、来年ですが、
その間も、次期大統領はいろいろなコメントや政策を発信することでしょう。
今後も目が離せません。