これは石破ショックではない
自民党の総裁が、先週末に決まりました。
国防専門の、しかも経済に疎い政治家が総裁に当選したため、相場が大崩れした感じにも報道されています。
確かに、総裁が誰になるのか確定した時刻には、金曜日のザラバ取引は終わっていたため、
もっぱら、日経平均の指数先物取引で株価が下落しました。
その下落を受けて、月曜は約1910円安で終えました。
ただ、この相場の反応は、よくある思い込み、の可能性が高いといえます。
もともと、総裁選挙の数日前から、急上昇した相場です。
経済優先、相場を重視する方針があった高市候補が優勢であると決め込んで、ずんずん上昇していきました。
具体的な根拠のないなか、相場が上がる雰囲気に乗った投機的な動きです。
その上昇した分が、もとに戻っただけなんです。
日経平均の先週から今週にかけての推移を、確認してみましょう。
26日の午前から、いきなりぐいぐい上昇していきました。
その分が帳消しになったことが、よくわかると思います。
つまり、市場が勝手に当選すると思い込んだ高市候補以外が当選する結果になれば、
それが誰であれ、翌営業日(30日)の大幅な下落は起こり得た、ということになるでしょう。
石破総裁のせいで下落したのは間違いないですが、石破以外でも起き得たことです。
さて、今回決まった石破総裁は、自力で当選したわけではありません。
ですので、個人の思い入れや考えの通りに政治がすすむことにはなりません。
特に、増税、制度変更などを行うには、党内での調整が必要ですし、公明党の理解も必須です。
岸田前政権のおかげで当選しているうえ、政策継承も断言しているので、
唐突に増税などということは、まずおこらないでしょう。
とすると、ただちに下落分を戻しにいけるかどうかですが。。。。
あまり期待できません。
思い込みで上げてきたから、思い込みで下げたという説明ですが、
まだ中身がわかってからでないといまは動けないね、となっています。
とはいえ、これほど大きな下落であれば、普通は、その翌日に1/3から半分程度は戻す期待があります。
今回は、その翌日(1日火曜日)の前場は終わっていないながら、1/3程度を戻そうとしています。
でも、これ以上となると、短期間には戻さない感じがある、ということです。
市場は様子見をしたいのですが、それも時間がかかりそうです。
今回は、せっかく組閣しても、何もやらずに、何かをやる前に、まず、ただちに解散総選挙が行われるようですから、首相の真の政権運営を確認できるのは、総選挙の後になります。
ほぼ11月になってから、ようやく、新内閣が実質的に発足し、新内閣が動き出せる、ということになります。
実態や、やりたいことが、明確になるのは、その時になってからでしょう。
11月と言えば、米国大統領選の投票日は11月の第一月曜の翌日です。
選挙による変化がやってくるのは、日米、ほぼ同時期になりますね。
時間がかかりそう、とはいえ、
あと1カ月ですから、長い先ではありませんね。