2020年のバブル
戦後まもなくという時代からバブル相場をシリーズ化してきましたが、今回は2020年です。
さすがに、2020年ともなると、生まれていない、なんてことはないでしょうし、
記憶が鮮明になっていると思います。
どういった年か、必ず思い出すキーワードがあります。
そう、パンデミック、あるいは、新型コロナウィルス(以下コロナ)ですね。
2016年のトランプ大統領誕生から4年経過しており、
大統領選挙の年でもありました。
2020年は、3月に入り、コロナの世界的な感染が圧倒的に
広がったことを受け、株価は世界全体が大きく下落しました。
日経平均は、1月20日時点で24083円だったのが、
3月19日には16552円まで下落しました。
2020年から21年春までの相場をみてみましょう。
3月19日は、日経平均が、pbr1倍どころか、0.8倍台にまで
下落しました。
コロナの不安でどうしようもないピークだったわけです。
PBRベースでは、戦後の最安値をつけたと思います。
しかし、大きな下落は数日程度だけで、
割とすんなりと、上昇に転じます。
2020年3月に日経平均はボトムをつけたあと、
不思議なほど順調に株価は上昇しました。
コロナで行動制限されたため、経済がボロボロになる
イメージがありましたが、日欧米、どこでも積極的な金融
政策、財政政策が行われ、要するに、おかねをばらまくように
市中に出しまくったことが、相場を気持ちさせて、6月まで
大きく値を上げていったわけです。
しかし、感染者は増え続け、これからどうなるんだろう、
という不安が蔓延していたのも事実です。
ところで、コロナ以前のワクチンの開発は、
基礎研究があり、そのうえで動物実験を行い
科学データを完全にとったあと、ようやく臨床試験(治験)の許可を
取り、人体で実証したうえで効果の検証を添えて国の承認を得る、
承認にも何年もかかる、という流れで、全体では10年、へたすると
15年もかかっていました。
ところが、コロナワクチンは、遺伝情報をもちいてコンピュータで
シミュレーションし、病原性ウィルスは使わずに開発が進みました。
この技術がなければ、今頃は、まだまだコロナが蔓延している
世界であったことでしょう。
さらに、申請から使用許可までの日数も、何年もかかっていた
それまでとは異なり、一気に短縮されました。
緊急事態だったわけですから、社会の要請で、そうする必要
があったわけです。
日本の厚生労働省も、大きくそれまでのやり方を変え、コロナ
ワクチンの普及に大きく貢献したものです。
ビジネスの方法も大きく変わりました。
そもそも行動制限があるのですから、移動できない。
そこれ、オンラインでzoomなどを使って会議する合理的な方法が
あっという間に普及しました。
日本に関していえば、印鑑の廃止も大きく貢献しています。
電子的な処理が役所でも一気に広がりました。
これは、ワクチンの接種申し込みや記録などにもいえることで、
コロナのおかげで将来への足固めができたと言えるわけです。
万事、塞翁が馬ということです。
相場に話を戻しましょう。
日経平均が11月からガクンとペースを速めて上昇していますね。
そう、大統領選挙でバイデン氏の勝利によるものです。
ワクチンの接種が英米で(この時点では日本ではないものの)始まったことも
大きな要素でした。
11月には、29年ぶりに、2万6千円を回復、翌年には3万円を超えてゆきます。
この相場の上昇は、金融政策でおかねをじゃぶじゃぶ市場に流した貢献も
忘れてはいけません。
なにしろ、日銀は日経平均やTOPIXの投資信託を、ガンガン買って相場を
後押ししていたのです。