株価が1年で「ものすごく」上昇することが、時々おきます。
でも、上昇がつづくと、
バブルだから、どうせスグはじけるぞ
などというような見方をする人が必ず出てきます。
バブルとは、理由のない上がり方を続けて、到底あり得ない高みまで来る
ようなことを意味すると思います。
シャボン玉が、空中を舞ってどんどん上昇を続けるけれど、
そのうちに必ずはじける、
というイメージがありますから、まさにバブルです。
シャボン玉は、なぜ出来てなぜ割れるのでしょうか?
石鹸水をかき混ぜると丸い泡がブクブクできますが、これは表面張力が働いて、
表面を小さくしようとするからです。
表面張力は、小学生が手をつないで輪を作る状態で、手と手の距離を縮めるようなもので、
そうした力が立体的に働いて、球体になるんですね。
シャボン玉の厚さは、1-2μ程度です。
とても薄いんですね。
軽いので、ストローでむりやり膨らませると、空気に浮いて浮遊するのですが、
なにせ水分でできていますから、あっというまに蒸発します。
その時に、割れるわけです。
相場のバブルはどうでしょうか。
過去のバブル相場を現在と比較してみましょう。
1989年(1月-12月)の昭和バブル、
1999年(4月から2000年3月)のITバブル、
そして、
2023年(1月から2024年1月)の令和のいま
の3つを並べてプロットすると、こうなります。
全てちょうど1年を横軸にとりました。
形をみると、似たところと違うところがわかりますね。
似ている点は、1年を3等分した時に、ちょうど真ん中に相当する期間はどの期間も
中だるみが発生して、伸び悩むことです。
異なる点は、2024年は、中だるみの期間に下落、ほかの2つは、中だるみしながらも上昇、
していることです。
他にも、いろいろな数値分析をすると、上昇した要素がわかり、その後はその要素の寄与が
なくなっていることがわかりました。
ファクターリターンといいますが、少し難しくなるので、ここでは割愛します。
ただ、過去二回のバブルは、
上がるから買う、買うから上がる、
という繰り返しでどんどん上がったことが、わかるのです。
グロース相場ともいいます。
2024年の上昇は、そうなっていません。
過去3回のリスクとリターンの関係をプロットするとこうなります。
横軸はリスクで、小さいほど良い、
縦軸はリターンで、大きいほど良い、
つまり、θの角度が大きいほど良いことがわかります。
この点では、1989年が最も優れています。
2000年の上昇時はリスクが大きいわりにリターンは少なかったのですね。
2024年の今、θはちょうど、1989年と2000年の中間、ウェルバランスです。
良い位置にいるな、と思いました。
いまはバブルではない、だからはじけることはない、と考えています。