先週、日経平均が異常なほど上昇しました。
これほどの高みまできたのは、1989年以来のことです。
いわゆる、昭和のバブル期ですね。
当時の株価の推移をみてみましょう。
ついでに、3万3500円を超えた昨年11月からの推移と重ねています。
当時は、3万4千円台が3カ月続いたのち3万5千円台で4カ月推移し、3万6千円を超えて5週間で
一気に3万9000円近くまでに達しました。
当時、どうしてこんなに急激に上昇したのでしょうか。
1985年にG5(G7の前身)で、米国の貿易赤字を縮小するために、ドル安を誘導した(プラザ合意)のです。
実態としては、日本が安値で米国に製品を輸出できないように円高になるようにG5が協調したわけです。
日本の輸出企業は大打撃を受けました。
そこで、政府は内需拡大を打ち出し、日銀も金利緩和をすすめました。
そうすると、資金が不動産や株式に回り、バブル経済が発生しました。
特に不動産を担保にしたさらなる不動産投資や株式投資が大流行したので、
バブルがふくれあがりました。
不動産は下がらないという神話があり、リゾートマンションがバンバン売れました。
ゴルフ会員権、高級車(たとえば日産シーマ)が、飛ぶように売れました。
シーマ現象などと呼ばれた、
いまからは信じられない個人消費の世界だったのです。
しかし1990年にはいると、日経平均は3カ月で一気に6千円下落します。
バブルの崩壊です。
なぜ崩壊したのでしょうか。
当時は不動産価格は異常にふくれあがり、
都内23区の土地の価格でマンハッタンをすべて購入できるほどの評価額になっていました。
1990年3月、そうした異常高騰を鎮静化させるために
大蔵省が銀行に対し不動産融資を規制しバブル退治をはじめたのです。
その上、日銀が利上げをして金融政策でもバブル退治で協調しました。
結果、金融当局の予想をはるかに超えるインパクトがあって、
不動産バブルがはじけ、一気に株価も暴落しました。
失われた30年の始まりです。
あれから34年、株価はようやく当時と同じ水準までもどしてきたんですね。
2024年のいま、不動産バブルは発生していません。
株価も、企業の利益が反映する妥当な価格で評価されています。
今回の株価高騰は、経済、あるいは金融という仕組みのなかでの妥当な水準です。
いまの経済は、相場は、
バブルではないのです。