奥村式資産運用術

2023年の相場の統括をするならば、一言でいうと、米金利にすべての市場が支配された、に尽きると思います。
米金利を支配しているのはFRBであり、したがって、株も、債券も、為替も、FRBに支配されたことになります。

では、まず手始めに、ドル円の今年に入ってからの推移と米金利をみてみましょう。
左軸はドル円、右軸は、米10年金利です。
 
(このグラフは、ロイターからうけ市場データを当社のツールでグラフにしたもので、
データがあれば、同じことをExcelでも簡単にできます)

これをみて、この2つの推移はソックリであることを疑う人はいないと思います。
最初に変化するのはまず米金利であり、それに影響されてドル円が動いています。

もともと、米国でFRBが(正確には、FOMCが)、利上げをビシバシ進めてきた2023年は、米長期金利は上昇を続けてきました。それに合わせて、ドル円レートも上昇(円安)してきたのですね。

10月末からは、その動きが反転、米金利市場で米金利が下落して、ドル円レートが円高に動きはじめ、今にいたっています。

米国が利上げをこれ以上続けないことが明確になってきたので、動きが逆転したのですね。

この関係を、X(米長期金利)-Y(ドル円)で示すと、さらに関係は明確に見えてきます。

1年間を通して、米金利とドル円をグラフにプロットすると、実にきれいに、
1本の直線で示されることがわかります。

この直線は、
Y=14.4X+83.45 という式で示されるきわめてシンプルな関係です。

統計に詳しい人のために加えると、この分析における決定係数は83.45なので、米金利だけで、ドル円レートは
83.45%も説明できることになります。

いいかえると、ドル円レートは、米長期金利以外の要素で変化するウェイトは、17%弱であり、83%強は米金利のウェイトで決まる、わけですね。

ドル円をトレードする場合、米金利を無視してトレードすると、100のうち、83%強の影響を無視してトレードすることになるので、まるで勝ち目がないことも示されているとも言えます。

株であればどうなるのか、興味がおきますよね。

ということで、次回をお楽しみに