今回は相場と直接は関係ない話ですが、日本をよく理解することはインバウンドを理解することにつながるかなと思い、取り上げてみました。
昔の話ですが、僕が中学で習った英語の教科書に、海外の人が日本人に対して持つイメージは、3Sであるという文章がありました。
3Sとは、silent(沈黙)、sleep(寝る),smile(笑う)の単語だったと思います。
silentは、会議では沈黙する、でした。
sleepは、電車でも授業中でもよく寝る、でした。
smileは、意味なく笑って薄気味が悪い、でした。
当時の英語の教科書でいう海外の人とは、間違いなく欧米人のことで、
この3Sは、ネガティブなイメージです。
1970年代、日本は、GDP(その当時はGNPで測定していましたけど)が西ドイツを抜き二位に躍り出て、
人間らしい生活をせずに朝から晩まで働くエコノミックアニマルと揶揄されていた時代だからです。
時を経ていまは2023年、ここ数カ月、欧米に行くことが多いのですが、日本をよく知る知人に、あらためて日本人のイメージを聞くと、こんな感じです。
silentは変わっていませんでした。相変わらず、日本人は会議で黙っている人は多い。
でも、それよりも、会議の進め方が、そもそもアジェンダも結論もなく、会議が意思決定の場になっていないので無意味、さらに悪いことには、いちど決めたことを蒸し返してひっくり返すこともあり、それが理由で日本の生産性が悪いのだろう、というポイントを突かれました。
まったくその通りですね。
sleepもイメージは変わっていませんが、会議中に寝るのはさておき、電車で寝れるのは、安全な証拠で素晴らしいことだ、日本人のイメージではなく、日本の良いイメージである、とポジティブに誰もがとらえていました。
当時、欧米では、列車や特に地下鉄では、寝れるほど安全な乗り物でもなかったようです。
いまは、欧米でも寝れますし寝てる人も多少いますが、やはり、日本の地下鉄や電車は圧倒的に安心して寝ていられます。
smileは、英語ではニコニコ笑うイメージがあるのですが、この当時の教科書では、意味になく笑うので薄気味が悪いという趣旨でつかっていた記憶があります。
とすると、smileではなくsmirkの方がぴったりくる単語です。
ただ、気持ち悪くニヤニヤする、という意味だけではなく、軽蔑のまなざしで笑う、という意味があるので、
smileを使ったのかもしれません。
いまの日本人は、このイメージはないそうです。
とすると、silentだけは昔からあって、sleepとsmileは、いまや除外すべき、ということになりますね。
代わりに入れるSを2つ探すと、ひとつめは
sanitary (清潔)
でしょうか。
もちろん良い意味です。
手洗い、うがい、お手拭きが出る、家の中では土足はしない、という習慣は、日本独特のもので、だからパンデミックの終息が早かったとも言えます。
欧米では、食事前に手を洗う習慣が希薄で、手を洗わずにパンをつまんで食いはじめるのが普通という習慣は、
私はもっとも気になる部分でもあります。
もうひとつ、Sを考えると、
Slack(さぼる、すっぽかす)
でしょうか。
仕事をすっぽかす人は、かなり日本人では比率が多いように感じます。
Slack,Silentで自分自身で思い当たる人は、行動を意識して改めることをおすすめします。