奥村式資産運用術

TOPIXの巻き戻し

最近、TOPIXという言葉の登場回数が増えています。

日本を代表する株価指数ですね。

むかし、東証1部市場という言葉をつかっていましたが、その1部上場企業の、
それぞれの価値(=時価総額)の総和を、指数化したものです。

これに対し、日経平均は、日経新聞社が選定した225社の、(時価総額ではなく)株価だけを使って、
平均したものです。もともとは、すべての株価の総和を、225で割る計算式でした。

この両者の差はけっこう大きいのです。

日経平均に影響を与える最大の会社は、株価の高い会社です。
日経新聞社のサイトに、ウェイト一覧があります。

現時点では、8月31日発表分が最新ですが、これによると、順番はこうなっています。

ウェイト上位10社
9983 ファーストリテイリング 小売業 消費 10.43%
8035 東京エレクトロン 電気機器 技術 6.72%
9984 ソフトバンクグループ 通信 技術 4.08%
6857 アドバンテスト 電気機器 技術 3.80%
9433 KDDI 通信 技術 2.70%
6367 ダイキン工業 機械 資本財・その他 2.62%
4063 信越化学工業 化学 素材 2.42%
6954 ファナック 電気機器 技術 2.16%
4543 テルモ 精密機器 技術 1.83%
6762 TDK 電気機器 技術 1.66%
(source:日経)
上位5社で27.7%、上位10社で、38.4%のウェイトがあります。
225社の平均株価ですが、225社のうちの10社だけで、38.4%の比重で日経平均が決まるというわけです。

これに対しTOPIXは、こうなっています。
ウェイト上位10社
1 トヨタ自動車 輸送用機器 3.5%
2 ソニーグループ 電気機器 3.1%
3 キーエンス 電気機器 2.1%
4 日本電信電話 情報・通信業 1.8%
5 三菱UFJフィナンシャル・グループ 銀行業 1.8%
6 第一三共 医薬品 1.4%
7 武田薬品工業 医薬品 1.4%
8 三井住友フィナンシャルグループ 銀行業 1.4%
9 日立製作所 電気機器 1.2%
10 任天堂 その他製品 1.2%
(source:JPX)

上位5社で12.3%、上位10社で18.9%。

これだけ指数ので意味合いが異なるんですね。

日経平均は、ねがさ株ではあるが、時価総額は関係なく影響力がある。

TOPIXは、株価は関係ないが、会社の時価総額の大きさが影響力がある。
TOPIXを観察すると、おもしろいことに気が付きます。

まず、1位トヨタは当然として、2位ソニー、3位キーエンスというのは、株をしらない人には「かなり」意外なはずです。特に日本で3番目に大きい会社がキーエンス、ということには。。。

また、おおざっぱに言って、銀行は時価総額が大きいので、TOPIXの上位に並んでいます。
バリュー株ですね。

最近、日経平均が下がっても、TOPIXは上がっていることが多いです。

つまり、バリュー株が見直されている、ということです。

今まで、さんざん日経平均採用銘柄が上昇してきたので、そろそろ、主役交代といったところでしょう。

こうした話題に興味がある方は、NT倍率、という言葉もありますので、推移がどうなっているか、確認するのもよろしいかと思います。