奥村式資産運用術

6月下旬から、米株式相場は、いやーな雰囲気が漂っていました。
物価が再上昇する懸念です。
7月6-7日(たなばた ですね)、NYダウも急落しました。
日経平均が、ずっと下落していた1週間だった、ちょうど期間です。

この下落を、何かのサインと思って、売りから入った人も多いのではないでしょうか。
このあたりの相場の流れは、今後を見てゆくうえでとても重要です。

確認しておきましょう。

米国は、いま金利が相場の中心にいます。
その金利は、FRBの一つの委員会であるFOMCという会議体が決定しています。

FRBが決めるのは、誘導金利といわれる、銀行間で1日単位で貸し借りする市場の金利です。
FFレートと呼ばれます。

そして、いま、FRBは、利上げをどんどん進めている最中です。

さて、米国で6月に発表された5月の物価上昇率は前月から大きく減速しました。
ひと安心していたところだったのですが、ウ戦争での食料事情悪化などの不安要素も絡んで、
雰囲気としては、物価がこれ以上は下がってゆかないという懸念があったのです。

物価そのものではなく、
その物価上昇を抑えるためにFRBが利上げを強い姿勢で継続
することが怖いわけですね。

7月に入り、FRBは利上げを強い姿勢で継続する見込みが強く出てくる、
と市場は思い込み、市場金利が先行して上昇しました。

その金利の動きを、グラフの黒線で示しています。

その時の金利と株式市場の反応を理解しておくと今後のためになります。

この金利の上昇をみて、NYdowは下げました。
日経平均も下げを加速しました。julyMarket

NYdowは、金利が上げ止まると、ただちに反転し上昇に転じています。
7月8日から9日にかけてです。

しかし、日経平均は、米金利がボトムになって初めて上昇に転じました。
7月12日から13日にかけてです。

日経平均の先の先を読むには、米金利を見極め、米国の株価を先行指標のひとつととらえ、
上昇に反転することを事前に察知する、その兆候が米金利の下落にあったことは明らかです。