先週から今週にかけて、日本株は日経平均で1500円程度、値を下げ続けました。
誰が売っているのかというと、相変わらず、日本国内の、法人と個人です。
海外投資家は、今年3月最終週以降、毎週のように買い越ししています.
この傾向は、今年3月末から目立ち始めました。
投資家動向の推移をグラフにしてみましょう。
JPXが発表するデータは、細かな投資家分類をしていますが、ここでは、
おおざっぱに、国内法人、国内個人、海外投資家の3つに集約して作成しました。
3月第5週から6月第4週までの14週のうち、
海外投資家が買い越した週は実に13週あります。
これに対し、日本の法人が買い越した週は、14週の中で1週だけ。
日本の個人が買い越した週は、14週の中で3週だけ。
このグラフの期間における海外投資家の買い越し額は、6兆1194億円。
日本法人の売り越し額は、3兆5324億円。
個人の売り越し額は、3兆1850億円。
日本の機関投資家は、株価が上がると、こまめに利食い売りを仕掛けてくるので、
国内法人が売り越しになるのは仕方ないことなのですが、
個人まで売り越しになっているのは、いかにももったいないです。
株価が上昇する局面では、どう考えても買い向かう方が優れた戦略なのです。
国内勢は売り、海外勢は買い。
結局、買いのボリウムが大きいので、上がり続けている。
つまり、外国人投資家が買い支えているという構図が続いているわけですね。
外国人投資家は、いつまで買い支えてくれるのでしょうか?
まだまだ、続くと思います。
欧米を中心に、金利がまだ上がる方向であるうえ、企業業績もいまいち不透明感があるからです。
細かい計算を示すのは避けますが、
結果だけ書くと、私の推計では、外国人投資家の累計買い越し額は8兆円で、
さらに、その4倍の資金が、今後の買い余力の規模として期待できます。
いまは、相場上昇に利食いによる売り圧力がのしかかっていて、
短期的な需給で下げているだけであるといってよいでしょう。
奥村尚