奥村式資産運用術

案外面白い日銀の過去

From:奥村尚
東京のオフィスより、、、

4月に入りました。
日本では新学期、
新年度のスタートとなります。

4月8日には、
日銀の黒田総裁も任期満了で退任し、
植田新総裁が誕生します。

ここで質問です。
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日銀って、
何を目的に存在しているのでしょう?
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答 :
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物価の安定および、
金融システムの安定です。
(日銀 HPより)
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この目的を果たすために、
日銀がいろいろな金融政策を
行うわけです。

今回は、
そうした話から離れて、

日銀の総裁が
就任していた期間、

どれだけ株価が上昇したか
(あるいは下落したか)
みてみましょう。

あまり昔までさかのぼっても
今と状況が違いすぎて
比較できないので、

前川総裁までとしました。

就任期間を年単位で計測し、
その期間の日経平均の騰落率を計算し、
それを年率に換算してみました。

黒田総裁は、
騰落率では2位となりました。

さすがに第25代澄田総裁の時代は
昭和バブルがはじける

直前退任したこともあって
ブッチギリのリターンですね。

しかしそれを除くと、
黒田総裁の時代として

日経平均が上昇した割合は
126%となりました。

これは大変なものですね。
年率換算でも12.5%です。

ところで、
第29代福井総裁の退任と、

第30代白川総裁の就任の時期が
重なっていないことにも
気が付くと思います。

その理由を思い出せる人はいますか?
たぶん、相当少ないと思います。

福井総裁は副総裁時代に
村上ファンドの経営諮問委員会メンバーで
広告塔となっていたり、

村上ファンドへも投資しており、
そのことが究極のインサイダーとして

疑惑を指摘され、
(本当はそうではないようですけど)
結局辞任したんです。

当時の福田内閣は、
後任候補として国際協力銀行総裁の
田波氏を提示したのですが、

議会(参院)で同意を得られず、
総裁は空位になりました。

しかし副総裁は
議会で同意が得られて、

白川(日銀理事)が副総裁に就任し、
白川氏が総裁代行として

トップが定まらない体制で
スタートしたのでした。

表を作ってみて、
こんなこともまた改めて
思い出しました。

新しい日銀総裁が、
どのように日本の物価を安定させるのか
興味深く見てゆきましょうか。

奥村尚