From:奥村尚
東京のオフィスより、、、
米国でも、英国でも、EUでもそうですが、
世界的に、物価高の流れは
なかなか止まりそうにありません。
その物価を抑えようと、
中央銀行は政策金利を上げているのは、
ニュースで皆さんもご存じの通りです。
物価が上がれば上がるほど、
政策金利も負けじと上昇を続けるのは
過去からあった話なのですが、
では、金利を上げると、
本当に物価は収まるのでしょうか?
物価と政策金利の関係は、
過去どうであったか、確認してみましょう。
米国の1970年以降の、
物価と金利をプロットしてみました。
ここでは、物価はCPI(消費者物価指数) 、
金利はFFレート(FRBが誘導する政策金利、実効値)を
使っています。
これを、何となく見ると、
同じような動きをしていることがわかります。
ざっと見ると、いくつかの事実がわかります。
1 まず、物価が先行し上昇する
2 金利がそれに追従するように上昇する
この1,2の関係は基本です。
物価が上がると、
金利を上げて物価を抑えようとしているのですね。
さらによーく見ると、
もっと色々な事実がわかってきます。
3 物価上昇は金利が物価を超える程度に
上がってくると下がり始める傾向がある
4 物価と金利のピークの時期は一致しない
5 物価が下げ始めた段階で金利も下げ始めるが、
半年前後ほどのタイムラグがある
3-5の関係は、かなり重要です。
3の関係では、
金利は物価を上回るほど上がらないと
物価を抑えられない事を示します。
4の関係では、
金利が仮に9%まで上がったところで、
物価も同様に上昇を続ける可能性を示します。
5の関係では、
物価が下がり始めるのは、
金利が物価と同じレベルまで上げた後、
半年くらいは時間がかかる事を示します.
簡単にいうと、金利を上げても、
物価は敏感に反応しないし、
反応するにしても、物価と同じくらい上昇して、
さらに半年はかかる、ということです。
金利を急いで上げても、
物価は簡単には下がらないんですね。
それに、今回は省きましたが、
金利を上げると株が下落します。
あまり性急に金利を上げると、
株価が暴落し、市場がめちゃくちゃになります。
そうならないように、
ゆっくりと金利を上げる必要があるので、
中央銀行は考えて采配をしているのですが、
相場に影響を与えずに金利を上げるのは、
至難の業です。
今後、金利上昇の流れは
確実に日本にやってきます。
なので今からいろいろ注意しながら
行動する必要がありますね。
奥村尚