From:奥村尚
東京のオフィスより、、、
今年に入り、米国の金利上昇が日米の、、、
いや、
世界の金融を支配しています。
まず、ドル円レートを観ておきましょう。
今年の8月2日までの推移です。
赤線はドル円(左スケール)、
青線は米金利(右スケール)でプロットしました。
なんだか、双子のように、同じ動きをしていますね。
米長期金利は、
FRBが誘導するFF金利を見ながら推移しますので、
FRBの金融政策がドル円を
決定づけていることがよくわかります。
この推移をよーく見ると、
6月中旬で、少しばかり関係が変わったように見えます。
6月中旬までの関係を、X-Yの関係でみると、
見事に正比例の関係であることがわかります。
米金利が上がる(下がる)と、
それに合わせてドル円が上がる(下がる)、
しかも、正比例の直線の関係があったわけですね。
その時の数式もグラフに書いていますが、
0.01%の金利が上がると、0.129円(12.9pips)ほど
ドル円が上昇してきたのですね。
詳しい説明は避けますが、
比例関係の精度をみる決定係数は、96.3%でした。
この期間は、ドル円レートは、
米金利だけで96%以上が説明できていたことになります。
米金利を見て、
この数式で算出したドル円レートを基準として、
「実勢レートが安ければ買い、高ければ売る」
という方法で
かなり高い確度で儲けることができたはずです。
ということは、この半年ほどの期間、
ドル円トレードで儲けるのはたやすい事でした。
外貨取引は、このように、
単純な読み方でうまく行くことが多いのです。
金融学の基本に沿った方法は、
大原則を正しい方法で用いると、
シンプルですがうまく働きます。
ただ、6月中旬以降は、
あまり関係がなくなってしまいました。
残念ながら、
米金利だけで動いていた時期は終わったようです。
また新しい関係ができるまでは、
ドル円レートは読みが難しくなります。
FRBの金融政策決定会合は、もう9月までありません。
今のような、関係あるでもなし、
関係ないでもないような関係で、
フラフラしながらドル円がさまよっている状況が
続く感じがあります。
今回ご紹介したような方法ではなくでも、
別の方法だとしても、
何らかの相場同士の良い関係を見出したら、
それが続くまでは、同じ関係であるという前提で、
勝っている間は、使い倒すまで使うと良いでしょう。
しかし、
最初から負けるばかりの関係では
使いようがないので、
そんな無駄な関係は
さっさと捨て去る潔さも持つとよいでしょう。
ダメなものを大事にしても、得るものはないのです。
奥村尚