From:奥村尚
東京のオフィスより、、、
もう6月になりました。
2020年も5カ月を消化したのですね。
早いものです。
6月は、14-15の日程でFOMCがあります。
FOMCは、
「Federal Open Market Committee」という、
米国の金融政策を決定する委員会で
FRBが開催する会合です。
日銀の政策決定会議と
同じ位置づけですね。
6月の注目は米国金利が
どれくらい変化するか、
ということになりますが、
ここで改めて、
なぜ金利を上げるのか、
考えてみたいと思います。
どの国の中央銀行も、
その国の物価安定を目標として、
存在しています。
今は、世界中でモノの価格が
どんどん上がってしまっています。
世界が同時にインフレになっているんですね。
日欧米共に、中央銀行はインフレ目標を、
年2%程度としています。
経済も適度に拡大する中で、
給料も上がるという前提を置くと、
2%程度の物価上昇は緩やかであり、
長い間の経済拡大が安定し、
非常に心地が良いわけです。
しかし、
今年は世界中が
大きなインフレに悩まされています。
コロナ禍が終焉に向かう中で、
世界の需要が一気に拡大し、
食料やエネルギー価格が大きく上昇したのです。
コロナ禍の影響は、人手不足にも及び、
人々が仕事をしたくないという状況になっており、
労働者が仕事場に戻ってこない状態が
まだ続いています。
これを打破するため、
特に米国では企業側が
人を確保するのに賃金を上げて対応する、
ということが普通の状態になってしまいました。
そんな中、ウクライナ戦争が起き、
エネルギー価格や食料価格が、
更に上昇して今に至っているわけですね。
では、なぜ、中央銀行が利上げをすると、
物価が下がるのでしょうか?
答えはカンタン、
モノが売れなくなるからです。
金利が上がると借金しづらくなるので、
大きなお金が動かなくなります。
個人だと住宅、企業だと設備投資です。
つまり、
購入意欲を削ぐことで、
モノを売れないようにする。
そうすると、
モノがだぶついて、価格が下がってくる、
という理屈です。
中学校で、
需要供給曲線というものを習ったと思いますが、
それを使って説明するとこうなります。
需要が下がると、
赤い実線は点線の方向に下がります。
そうすると、
供給曲線との交点がAからBに変化します。
結果、価格Aから価格Bに移動するので
価格が下がるというわけです。
これが、中央銀行が考える
金融政策による物価安定の原理です。
でも、こんな単純な考えでうまく行くかどうか、
怪しいですよね。
近いうちに、
別の観点から検証してみようと思います。
奥村尚