From:奥村尚
東京のオフィスより、、、
いま、
世界中の投資家が
最も注目している事の一つに、
『米国の利上げ』
を挙げることができます。
米国が利上げすると、
米株は下げやすくなります。
米株が下落すると、
世界中の株価が下落しやすくなります。
株式は特にハイテク株が下落します。
また、米利上げは、米通貨、
つまり米ドルが上昇しやすくなります。
米ドルが上昇すると、
金などの商品価格はその反対に
下落しやすくなります。
全ての金融商品が
大いにインパクトを受けるわけですね。
なぜ、利上げなんかするのか?
答えは簡単、
物価上昇を抑制するためです。
世界の物価上昇は凄まじいばかりです。
では、物価は、
どのように測定するのでしょう。
物価上昇の物差しには、
消費者物価指数を使います。
CPIといいますが、
普通のニュースでもよく出てくる単語ですね。
CPIは、経済の体温計と呼ばれており、
景気が良いと上がり、
景気が悪いと下がります。
このCPIは、こんなところでも使われます。
国民年金や厚生年金の給付水準を
決定するときにもCPIに応じて見直しが行われます。
公共料金の改定にも必ず参考にされています。
民間でも賃金、
家賃の改定の際に参考にされます。
いかがでしょうか。
経済的にも最重要と言ってよい
数字であることがわかりますね。
この指数の作成にあたっては、
国際労働機関(International Labour Organization, ILO)が
基準を作成しているので、
主要国は全て比較できます。
前置きが長くなりました。
日欧米を比較してみましょう。
CPIは、原則、毎月発表されていて、
前年同月比の伸び(あるいは下落)を比率で示します。
物価上昇は、米国が突出していますね。
あまりに景気が良く、
モノがバンバン売れるので値上がりが相次いでいる、
とも言えます。
CPIがあまりに大きくなると
物価が上がりすぎて生活しづらくなります。
中央銀行が金融政策を判断する重要な材料にもしていて、
CPIがあまりに大きくなると、
中央銀行が金利を上げて、
消費を抑えるようにするわけです。
金利が上がると、
借金をして買うことが困難になるので、
家や車は売れなくなります。
モノを売れなくするということは
経済を抑えることになるのですが、
そこまでしてでも
「景気を抑制したい」
「物価上昇を抑えたい」
と中央銀行は考えるわけですね。
金利が上がると
債券で運用するのが有利になるので
株価は下がります。
いま、
世界中の株式は不安定に推移していますが、
ひとつには米利上げが関係しているのは間違いありません。
米国が金利を上げる日は3月17日早朝(日本時間)です。
いままでの経験上、
この日は株価も通貨も、
大きめに動きがちになります。
トレード時にいろいろ準備ができるので、
こうした事を知っていると、便利ですね。
奥村尚