奥村式資産運用術

早めに2021年の相場を振り返る

From:奥村尚
東京のオフィスより、、、

もう11月もあと少しで終わりますね。
来週は、もう12月です。

すこし早いですが、

今年一年の相場を振り返ってみましょう。

主要国の株価指数の推移を、
本年1月4日を100として
プロットしてみました。

トップは、米国(SP500)です。

かなり差が開いて、
二位は欧州代表 独(DAX)です。
三位は僅差でわれらが日本(TOPIX)。
四位は英国(FTSE100)でした。

これら先進主要国の指数は、
全て上昇していますが、

五位 上海は、
年間を通して横ばい、

ほとんど上昇していません。

中国経済は、
GDPとしては成長していますが、

株式市場を観ると、
中国恒大をはじめとする
不動産セクターを中心に伸び悩んでいます。

ところで、

単純にこの推移を見ると、
SP500が圧倒的に良いこと
はわかりますが、

DAX、FTSE100、TOPIXの
3つの相違がわかりません。

目を凝らしてよーくみると、TOPIXは、
9月の上昇と10月の下落があり、
その動きが、とっても大きいのです。

これは、他には見られない特徴である
ようにも思えます。

こうした、動きの大きさや
大きく動いた期間の長さを、
数字で示す方法があります。

リスクと呼ばれる尺度です。

金融学では、日々のリターンから
計算できると定義されています。

また、

日々のリターンと合わせてみる事で、
いわゆる、リスクとリターンという
関係を数字の落とすことができます。

さっそく見てみましょう。

それぞれの株価指数と原点をむすぶと、
x軸との角度を計測できます。

最も大きな角度は、SP500です。

DAXとFT100の確度は
かなり似ていますね。

そして、TOPIXは、角度が小さい。

一番小さいのは上海総合です。

この角度は、
リスクとリターンの比率
として求めることができます。

θ= Ret / Risk

です。

θが大きいほど、
リスクに対してリターンが大きい、
つまり投資に有利な資産である
ことを示します。

一方、

x軸で示される値は、
リスクの大きさです。

TOPIXが、今回の5つの株価指数では
最もリスクが大きな資産となります。

その割に、
リターンはSP500の半分程度と、
低いものなので、

投資をするには不利な資産です。

DAXとTOPIXを比べる限り、
リスクはDAXの方が小さく
リターンはDAXの方が大きい。

投資適格性という観点では
DAXの完全勝利です。

今後も今までと同じ調子で推移するならば

上海はリターンが少なすぎて論外
TOPIXはリスクが大きすぎて論外

SP500、DAX、FTSE100は、
それぞれ特徴があるが、

リスクをとるのであればSP500が良い
リスクを下げたいのであれば、FTSE100が良い

ということがいえます。

同じ考え方で、
為替レートや仮想通貨なども
加えることもできますので、

いずれ、やってみようと思います。

奥村尚