From:奥村尚
東京のオフィスより、、、
G7が英国で、
6月11日から13日まで開催されました。
海辺でとった首脳陣の映像が
TVでも流されましたが、
場所は海辺でした。
ロンドンではありません。
最もブリテン島の最西にある岬
(landsEND、最果てという意味ですね)
があるコーンウォールという地域です。
フランスのモンサンミッシェルと
同じような島があって、
景色が素敵なところです。
アーサー王伝説で知られる場所でもあります。
例年、G7サミットは、
G7の財務相会議も開催されますが、
今回は、貿易に関する会議、
気候環境に関する会議、なども
開催されました。
また、招待国もあり、
オーストラリア、インド、韓国、
南ア共和国の4か国、
G7と合わせて11か国が参加しました。
もともと西側先進国首脳会議として
1975年にG5からスタートした
経済大国会議でした。
第1回の会議にはイタリアも無理無理出席し、
俺も仲間に入れろ、と発言したのがきっかけで
欧偏重のバランスを取るため
カナダもついでにいれて、
G7として活動するようになりました。
この時は、G5全員が賛同したので、
メンバー国が増えたのですが、
G7をさらに増やすとなると、
かなり難易度が高くなります。
1998年には、
クリントン大統領の口添えもあり
ロシアも入れたG8になりましたが、
ロシアの機嫌を取る要素が大きかった
ように思います。
もともと、水と油のような西側と東側です。
結局ウクライナへの介入や
クリミアの併合を非難したG7が
ロシアの資格を停止しました
(2014年ハーグ宣言)。
その時の気分で仲間に入れると失敗する
という教訓ですね。
昨年も8月にトランプ大統領がG7にロシア、
韓国、オーストラリア、インドの
追加を提案しましたが、
実現できませんでした。
追加には、G7 全7か国の賛同が必要なのです。
結局、G20という枠組みが
1999年からできているので、必要ない
という結論でした。
さて、世界のGDPの順番と合わせて、
メンバー国と招待国をみてゆきましょう。
GDPは、2020年のGDPを、
IMFのデータ(2021.4月最終更新)
からとっています。
GDPの順番で書くと、G7は、
米(1位)、日(3位)、ドイツ(4位)、
イギリス(5位)、フランス(7位)、
イタリア(8位)、カナダ(9位)ですね。
G7のGDPは、1986年には
世界の7割を占めていたのですが、
2020年は5割を割るようになりました。
新興国の経済発展が進み、
先進国が経済を独占できなくなってきたんですね。
特に中国の発展は凄まじく、
1986年に3000億ドル(9位)だったGDPは、
2020年は14.7兆ドル(2位)です。
招待国もみておきましょう。
インドは6位、韓国は10位、
オーストラリアは13位。
表には掲載できませんでしたが、
南ア共和国は42位です。
42位の南アを招待する前に、
もっと大きな経済規模の国を招待すべき
ように思えるのですが、
招待した国は議長国の英国です。
議長国には、招待国を決定する権限が与えられています。
招待国は、3月の時点で発表されました。
南アを選んだのは、
南アで発見された変異ウィルスの
情報共有が理由だそうですが、
オーストラリア、インド、
という国と合わせて考えると、
英国のもと植民地で、英国との
関係が強い国を選んだのだと思います。
韓国だけは例外で、経済が目立って強いからでしょう。
カナダやイタリア、ロシアあたりとも
遜色がない規模です。
この4か国の株価指数は、
あまり知る機会がないと思いますので、
並べてみておきましょう。
参考までに、日本もいれてあります。
韓国は最も良い成長をしていることがわかりますね。
日本もなかなか、頑張っています。
指数連動型の投資をする方は参考にどうぞ。
なお、サミットで、
重要な議論をしたとか、
特別何かを決めたとか、
ということでもなかったようです。
前回はコロナ真っ最中でしたので中止されました。
1975以降継続してきたサミット初の出来事です。
今回は2年ぶり、首脳陣が直に
顔を合わせるのは重要ですので、
それなりの意味はあったことでしょう。
独メルケル首相は、今年で首相を
退くと表明していますが、
そのせいで遠慮したのでしょうか、
記念写真で一番端にいたのが印象的でした。
奥村尚