奥村式資産運用術

米議会の動きと市場の評価

From:奥村尚
東京のオフィスより、、、

今回は、3月に米議会で
何が起こっていたかを見ながら、

株価がどうなったかを見ていきましょう。

3月6日昼、米国上院は
1兆9000億ドルの経済対策の法案を
民主党議員のみで可決しました。

賛成50、反対49。

共和党のサリバン議員が
親族の葬儀という理由で
採決を欠席したため、

それで通過したものです。

実際は、仮に50対50になったところで、
上院議長はハリス副大統領が兼ねており、

いずれにしても可決は見えていたものでしたが、
上院のマコネル院内総務(共和党トップ)は、

これほど規模の大きな法案を
場当たり的に可決したことに対して
批判しています。

今回、上院は下院の法案に
修正を加えた法案を可決しました。

下院で通過させた内容とは異なるので、
再び下院で、上院で採決された修正法案を
可決しないと議会を通過できません。

その再決議は3月10日に行い、可決されました。

下院では賛成220、反対211で
民主党議員の離反が1名ありました。

共和党は、上院下院を通して
離反した議員はいませんでした。

こうした経緯を思い起こしながら、
株価をみてみましょう。

株価に見事に反映されていたことは、
チャートを見るとよくわかります。

ほぼ全国民に1400ドルを直接給付する
バラマキの法案でもありました。

当然、株価は上がるわけですね。

同じ時間軸で、米国金利をみておきましょう。

やはり上昇しています。

期待先行ではありますが、

経済が良くなってゆくことを国債市場も評価した

とみることができます。

この金利と、ドル円レートを合わせてみると、こうなります。

ほぼピッタリ一致しますね。

ドル円レートは今年に入り
米金利だけを見ていればきれいに予想できるように
素直に動いています。

バイデン大統領は、このあとにも
まだまだ圧倒的な予算を伴う法案を考えています。

ここしばらくは、相場を占う観点からも
目を離すことができません。

奥村尚