From:奥村尚
東京のオフィスより、、、
2月に入り、株価が3万円前後で
行き来している相場ですが、
これはかなりすごい事です。
そもそも、
2月になったばかりの週に
3万円に乗せたこと自体、
年初には予想だにしないことでした。
昨年から大きく伸びてきた株価ですが、
ここにきて、今でもまだまだ伸びている
という状況です。
カネ余りで、世界同時株高であるか
のように考えられますが、
欧州はそうでもない国もあります。
ちょっと見てみましょう。
昨年3月初日を100としています。
指数は、独はDAX、英国はFT100
という時価総額加重平均型の指数と
比べる必要があったので、
米国はSP500、日本はTOPIXを用いました。
ここには示していませんが、
フランスなども好調です。
英国1国が、どうもイマイチなのですが、
これは明らかにブレグジットの後遺症でしょう。
物流の混乱は今も続いています。
特殊要因がある英国を除いて、
日欧米は同時株高であるのは本当です。
日米は特に好調です。
多くの投資家は心配するほどの水準まで
上がり切っていると思っています。
実態とは関係なく上がっているので、
すぐにでも下がる、あるいは
いつでも暴落する、
という意見もあちこちの場面で
みなさんも聞いているでしょう。
でも、
本当に市場参加者の大半が
下落すると思っていれば、
株式はあっという下落します。
買い手がいなくなるからです。
そうなっていないということは、
暴落するという意見が少数派である
ことがわかります。
私などは、日経平均が3万円で安定しており、
それが普通になってきた状況をみて、
むしろ過熱感がなくなってきた
ようにも思えます。
5Gの普及、DXにEV。
すべてこれからです。
圧倒的に大きな潜在力を秘めた市場です。
コロナで引導を渡された業種は多々ありますが、
コロナがなくてもいずれはそうなったでしょう。
むしろ長期でダラダラ真綿で首を絞められるよりも、
短期で一気にドメインチェンジできる分、
良い点もあるはずです。
さて、
市場が下がることは
(上がったから下がるという事象とは関係なく)
いつでも起こることを忘れてはなりません。
1月28、29日の両日には、
日経平均が合計900円以上下げましたが、
単にその程度程度下がっただけで、
鬼の首をとったかのように、
「ほら、私の言った通りでしょう?」
と言い張る相場師も多かったのは
皆さんも記憶している事と思います。
しかし、実際は、
その後の3日間であっという間に戻しました。
そういうときには、その相場師は
都合が悪いので黙っているものですね。
どのみち、
短期の予想は外れます(私を含め)。
市場というのは、
上がるか下がるかほぼ五分五分
(わずかに上がる確率が高い)です。
明日上がるか下がるか、
どちらかに動くかはわからないのです。
でも、どちらかには必ず動きますし、
その変化幅というのも、
確率分布にほぼ従って動いています。
これでは、何を言っているかわかりづらいですね。
具体的に数字で当てはめてみましょう。
1万円のときに200円動くのが普通と考えると、
これは、3万円のときに600円動くのと同じ比率です。
価格ではなく、比率(=リターン)で
暴騰や暴落を定義しておきたい、
ということです。
過去の統計から、以下の数字は、
確率的に起こることなので、
なんとなく覚えておくと良いと思います。
一日で、1%を超える下落の確率は、20%です。
数字に直すと、
3万円に対して、
-300円を超える下落は、
5日に1日の割合で起こる、
ということになります。
5日というのは、5営業日、
1週間の事ですね。
300円の下落は、いつでも起こることだ
といえます。
一日で、2%を超える下落の確率は、4%です。
数字に直すと、
3万円に対して
600円を超える下落は、
25日に1回の割合で起こる
ということになります。
25日というのは、
1か月+αですね。
月に1回程度は起こるということだといえます。
昨年3月13日は、
17,400円に対して1,129円、
-6%の下げがありましたが、
-6%を超える下げは、
99.99999%の確率で起こりません。
この-6%というのは、
3万円になった今にたとえると、
-1,800円の下げになります。
なかなか起こらないことが起きることは、
このくらいの下げになると、
恐怖すべき水準である、
ということになるでしょう。
奥村尚