奥村式資産運用術

世界の穀物市場の変化

From:奥村尚
東京のオフィスより、、、

今回は穀物市場に関しての話をします。

穀物にも市場があり
為替や株式のように
取引所で取引されています。

この取引は、多くの場合
先物(もしくはオプション)取引で行われます。

シカゴ商品取引所
(CBOT,Chicago Board of Trade)
が世界最大の取引所です。

(金融デリバティブで有名な
シカゴマーカンタイル取引所(CME)
の傘下です)

日本のコメ市場は、
江戸時代から大阪で
先物取引を行っていましたが、

これが世界最初の先物市場とされています。

徳川吉宗の享保の改革でできた、
幕府公許の取引所でした。

古い資料では、現物(=米)を
将来引き渡すための事前契約(先渡取引)
とされていますが、

最近の資料や解釈によると、
期日に反対売買を行い
差金決済もしていたようで、
本物の先物取引だったようです。

(差金取引ができるということは、
現代の為替、株式先物、あるいはFXと同様、
純粋に投資(投機や裁定取引を含む)の対象
になったということになります)

さて、

世界の穀物は、昨年12月中旬から
急激に値を上げてきました。

例えばシカゴ市場の小麦先物をみておきましょう。

ここでは示しませんが、
コーンや大豆も小麦と同じ動きをしています。

一般に、穀物相場は、
天候や作付け、作物の生育サイクル、在庫
が大きな要素として市場価格を変動させます。

また、マクロ経済や金融市場がもつ要素
でも変動します。

CMEのシニアエコノミスト、
Erik Norlandのfeatured report(2019.4.4)によると、

1970年代には世界的にインフレが上昇し
米ドルが急落、農産物は急騰したが、

1975年から2000年までの期間では
相関はゼロ(-0.1から0.1の間)であった、

とあります。(source:CME Group)

しかし、2020年の秋以降、

ドルと穀物先物の間には
明確な相関が出てきました。

2020年9月以降の推移をみておきましょう。

この期間の大豆とドルの関係を、
相関で見るとこうなります。

ここ何日かは、ドルは下げ止まり、
穀物は上げ止まっています。

しかし、穀物が上げてきた理由は、
世界的なカネあまりからくる投機以外に、

好景気が続く中国の実需、
中南米の昨年の不作などの理由
も入っているので、

今年は穀物が上がりやすい年です。

ドルは下げ止まっても、
穀物は上がり続ける可能性があります。

パスタや缶詰のような保存のきく食品は、
この際、すこしばかり、買い進んでおく
とよろしいでしょう。

必要な分+α程度、
余分に買っておくと、

巣ごもりにも必要だし
消費も進むでしょうから、

損はしません。

奥村尚