奥村式資産運用術

プロ投資家とは何か?

From:奥村尚
東京のオフィスより、、、

プロのxxxという言葉があります。

たとえば、スポーツだと
アマとプロの違いは
お金をそれで稼いでいるか否か、
ということになるでしょう。

もう少し加えるのであれば
「生活ができるだけの」
という言葉を加えると良いでしょうか。

相撲だと、関取、つまり
十両以上のことを指しますね。

プロ野球やプロサッカーは、
プロと定義される球団に所属し
プロ契約をするか、

アマリーグに所属しながらも
スポンサーがついて
プロ契約をしているか、

ということになるでしょうか。

セミプロという言葉がありますが、
多くの場合、プロ並みに腕は良いが
プロではない、といういわゆる

ハイエンドアマという意味合い
で使うように思います。

投資の世界にもプロはいます。

「証券会社に属している
 サラリーマンのことか?」

いいえ、違います。

「もしかして、投資のプロリーグ
 というのがあるのか?」

うーん、おもしろいけど、
それも違います。

金融商品取締法というものがあって、
その中で法律で定義されています。

この法律は投資家を保護するためのもの
です。

客(この場合、全ての投資家)を
プロとアマに区別し、

プロ投資家との取引と
アマ投資家との取引を
区別しているのです。

この法律では、
アマ投資家は一般投資家といいます。
ほぼすべての個人投資家です。

プロ投資家は特定投資家といいます。
適格機関投資家ともいいます。

多くの場合は法人を指しますが、
個人でもプロになれます。

個人で適格機関投資家、
つまりプロになるには、

有価証券残高が10億円以上あること
が条件で、かつ、
金融庁長官に届け出が必要です。

口座もプロとアマでは異なります。

たぶん手数料も異なります。

もっと違うこともあります。

ヘッジファンドとの取引ができるか否か、

と言えばわかりやすいでしょうか。

ファンドは、普通は
一般投資家に対して広く募集されます。

これを公募といいます。

ヘッジファンドは多くの場合、
限られた人のみを対象に募集をかけ、
運用します。

これを私募といいます。

私募でも、プロ投資家ではない人が
投資するケースはありますが、

ほとんどの場合、
一口あたりの最低出資額が
大きく設定されるので、
富裕層に限定されます。

一般投資家の方に
ヘッジファンドの話がこないのは、
こうした理由によります。

金融庁はファンドモニタリングを
定期的に行っており、

2017年の調査では、

プロ向けファンドへの、
個人の出資者のシェアは2%でした。

ヘッジファンドは
言葉だけは知られていますが、

こうした世界が、
日本では伝わらないように思えるのは、

このような実態があるからだと思います。

奥村尚