From:奥村尚
東京のオフィスより、、、
米国に一般調達局
(General Services Administration,GSA)
という組織があります。
役所なので、法律に基づく処理を
淡々と行うのが仕事です。
12月8日までにすべての州は、
選挙人を指定して選挙結果を確定する
ことになっています。
この日には大統領選の結果は
100%確定しますが、通常は、
政権移行をスムーズに行うために、
とっくに政権移行を進めている時期です。
GSAの局長は、強烈な共和党
(というよりトランプ大統領)支持者
で有名です。
ここがバイデン候補の勝利を認めない限り、
政権移行ができなかったのです。
大統領選のあと、約3週間、
GSAはゴネて、裁判の結果が出るまでは
政権移行を認めない勢いでしたが、
11月24日になって、
バイデン候補の勝利を認めました。
これで政権移行に弾みがつきました。
財務長官はイエレン元FRB議長が決定的です。
彼女はクリントン政権で、
バーナンキ議長の後釜として
FRB議長になっています。
夫はジョージ・アカロフ、
2001年にノーベル経済学賞を受賞した方です。
文句なし、の人選と言えましょう。
国務長官は、アントニー・ブリンケン
になるようです。
国家安全保障のエキスパートで、
クリントン政権では国家安全保障会議メンバー、
オバマ政権では国家安全保障担当の大統領副補佐官、
そして最終的には国務副長官になりました。
少し前の時代で恐縮ですが、
橋本内閣を思い出しました。
オールスターなのです。
かなり民主党的な、つまり
大人の外交を進めることになるでしょう。
ところで、
過去の例だと、大統領就任までの間、
ハネムーンと呼ばれる、逆風のない無風地帯で、
何にも邪魔されずに相場が上がります。
大統領の第1期のみにフォーカスすると、
32年間で5回のハネムーンがありました。
2020年は6回目です。
全て、11月1日から、
翌年1月末日までスケールを統一しました。
ちなみに、大統領選は、
11月の第一月曜日の翌日と定められています。
つまり、第一火曜日か第二火曜日となります。
大統領就任は、必ず1月20日です。
1929年の世界恐慌前までは、
3月4日だったようですが、
世界恐慌があったのちに変更され、
1933年に今の1月20日に変更されました。
さっそく、
過去のハネムーンを振り返ってみましょう。
5ケース、すべて見てみましょう。
全てのケースで、選挙終了後年末までは、
上がっていますね。
ハネムーンのアノマリーは今年も健在です。
ただ、オバマ大統領と、子ブッシュは、
年があけると下げてきました。
短いハネムーンだったようです。
1月になると、大統領就任前とはいえ、
閣僚の顔が決まっており、
お祝いの熱も冷めてくるのでしょうか。
「とすると、今回も、もしかすると、
ハネムーンは短いかも…。」
などという話も聞こえてきそうです。
「2020年も、12月末までは持たないかも…。」
とか、
「12月までは持つかもしれないが、
来年までは無理だろう。」
とか、
「いやいや、
そもそも上げすぎなのだから、
これ以上あがるのか?
過ぎにでも下がりそうだぞ。」
そう思う方もいて当然です。
いろいろな考えがあって、
相場で注文が交錯し、値が付く。
これが相場ですから。
私は、
1月20日まではあがる
と思います。
もちろん、上がる理由はいくらでも
つけられますが、どうせ後解釈です。
理屈はいりません。
へたに頭で考えると失敗するのです。
今の流れに乗ること。
この感覚は、重要だと思います。
相場というのは、そんなもんです。
奥村尚