奥村式資産運用術

低金利の異常継続はコロナが原因ではなかった

From:奥村尚
東京のオフィスより、、、

前回は、株式と金利の関係に目を向けて、
低金利が正当化されているのであれば、

株高は正当化されて
当然であることを示しました。

でも、それは今がコロナ禍であって
異常だからではないか?
という疑問も湧いてきますね。

マイナス金利やゼロ金利の状態は
昨今のコロナウィルスのせいで
一時的なのかどうか、という事になります。

日本は長い間、
デフレを続けてきました。

デフレとは、物価が下がっていく現象です。

デフレになると、今日買うより
明日買う方が安くなるわけですから、
モノは売れなくなります。

人々は、

「今日買って明日下がっていると
イヤだから今は買わない」

と思うようになり、それが国全体として起こるので、
モノが売れなくなり、企業業績は悪化し
不景気になります。

不景気になるとボーナスが出なくなりますし、
なによりリストラで解雇され、失業します。

そうなると、所得が抑えられ
ますます消費されなくなります。

貨幣価値がどんどん上がり、
借金をしている人や企業の負担が重くなります。

次の段階で、決死の覚悟で閉店セール、
在庫処分の捨て身のバーゲンを行い、
モノの価格が下がります。

こうした悪循環を
デフレスパイラルといいます。

内閣府は月次で経済報告を発表していますが、
2009年11月の月例経済報告でデフレ状態にある、

と認定され文章に明記されました。

2013年12月、アベノミクスが進んでから、
デフレという表現は削除されましたが、

これはデフレが悪化してはいない
という意味であって、デフレが収まった
とは書いていません。

インフレには全くなっていないからです。

この間の金利をみてみましょう。

このグラフからは2013年以降も
どんどん金利は下がり、

2016年以降は 10年債も
マイナス金利で推移したことが分かります。

デフレは収まっていないし、
それどころかマイナス金利という
異常事態に進んだとの見方もできますね。

つまり、この低金利の異常事態は
もう11年も続いているのです。

11年前からの継続している症状なのですから、
コロナウィルスとは関係ないことは明白です。

11年間治っていない症状なのですから、
すぐ治るはずもないですよね。

この状態はまだまだ続く
と想定すべきです。

なら少なくとも、低金利だから
株高は正当化されるという状況は
継続するでしょう。

では、低金利であった昨年まで、
なぜ、株高がズンズン進行しなかったのでしょうか。

それは、また別の機会にしたいと思います。

奥村尚