From:奥村尚
東京のオフィスより、、、
おはようございます。
『リスクオン』
と
『リスクオフ』
という言葉があります。
本来は、金融(あるいは相場)用語
というわけでもないはずですが、
なんとなく使い始められて
普及したイメージがあります。
案外、最近の言葉でたぶん
リーマンショックあたりに、
つまり、2008年から
使われ始めたように思います。
それまでは「risk off」の状態を
「safe haven」などと言っていました。
株式でもFXでも、どちらの世界でも
良く使う言葉で意味も一緒です。
英語でも「risk-on risk-off」と、
まったく同じまま使います。
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リスクオンとは
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リスクをon=リスクを負担して相場に向かう、
つまり、強気のマーケットを意味します。
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リスクオフとは
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リスクをoff=リスクを避け相場から立ち去る、
つまり、弱気のマーケットを意味します。
ここまでは分かりやすい意味ですね。
では、マーケットはどうなるのかというと、
株式とFXそれぞれの市場では、
それぞれ異なる動きを取りますが
相互に関係を持つのでこの機会に
合わせて説明してみましょう。
一般的に、相場はこのように変化します。
1:リスクオン
株式市場では安全資産である債券から
リスク資産である株式への資金の流れが
発生して株価が上がります。
FX市場では危険資産である
新興国通貨が買われ、安全資産である
円が売られます。
日本の場合、円が安くなると、
輸出企業がメリットを受けるので
日本株全体としてさらに上がる
傾向があります。
2:リスクオフ
株式市場ではリスク資産である
株式市場を避ける動きを取るため、
資金が株式市場から引き揚げて
債券市場に流れます。
株価は下がります。
FX市場では危険資産である
新興国通貨は売られ、安全資産である
円が買われます。
日本の通貨、円が強くなると
円高を意味し、輸出産業が
打撃を受けるので日本株は
さらに下がる傾向があります。
オン、オフというと、
スィッチの事を意味して
必ずどちらかの状態を取りますので、
相場の説明もいきなりスィッチが入った
かのような説明をする時に、
「リスクオンになった」
とか
「リスクオフになった」
などと使います。
英語の新聞を見ていると、
リスクオン、リスクオフの事を
まとめて頭文字をとって、
『RORO』と説明する事も多いようです。
FX市場においては、ROROという
スィッチが切り替わった時の
為替戦略の名前にもなっています。
例えばリスクオフになった時の
(安全資産である)円買いの時に、
「RORO戦略をとった」などと
使うのですね。
FXトレードをする場合でも
株式投資をする場合でも
リスクオンの時のムードと
リスクオフの時のムードは
大きな差が生まれますし、
やるべき戦略も正反対になります。
めったにない事ですが、
リーマンショック程の
大きなリスクオフの時は、
場合によっては、市場で売買する事
そのものを止めて、全てを手じまって
キャッシュにしておくべきな程、
リスクオフの状況もあり得ます。
相場の中で、
自分でROROがどういった状況であるか、
判断する事は大切ですね。
いま、具体的にROROの
どちら側にいて、どういった状況なのか、
数値でも確認できる方法がありますので
別の機会にあらためて紹介します。
奥村尚