奥村式資産運用術

米中経済戦争による株式相場の推移

From:奥村尚
東京のオフィスより、、、

おはようございます。

「米中 経済(通商)戦争は、
第一段階の合意としては、年内決着する」

株式市場では、(日本であれ、欧米であれ)
こう想定して、相場が動いています。

これは、

1 景気、企業業績はいったん底まで下がったが、
その後、金融緩和により、今後良くなるだろう。

2 米中貿易戦争が一段落すると、
経済も改善するだろう。

3 米国が12月15日に追加関税を発動すると警告しており、
今後の交渉次第で判断する、としている。
だから12月15日までに解決できるのだろう。

というシナリオに基づいているといってよいでしょう。

それを先取りして株は上昇しているのです。

どのくらい上昇したのか、
一通り、米日欧の株式相場を確認しましょう。
(いずれも、10.1-11月末日を期間としています)

日欧米、いずれ劣らず、見事な上げ方ですね。

1に挙げた金融緩和は、
市場が予想する通りに進んでいますが、

何か月も前から市場の予想通りに
進んできたもので、特にこの秋から
始まった目新しい事ではありません。

が、まぁ、株が上がる理由としては
ありかな、と思います。

2の米中経済戦争の第一段階の合意は、
実際、その通りです。理由として成立します。

3 は、先週に起きた、
政治がらみの話を通してお伝えします。

先週(11/27日)は、
トランプ大統領が香港人権法案に署名し、
成立しました。

この法案は、香港民主化への活動を
支持する法案です。

中国から見ると自分の国である
香港への明確な干渉であり、

「断固として反対する」(中国外務省)

「法案が署名されるならば、
アメリカは全ての結果の責任を負う」
(中国外務省がアメリカの在中国大使に向かって)

という強力な対抗メッセージが起こっていた
中で成立したものです。

これに対し、トランプ大統領は、

「香港人権法の執行は、
(確かに私がサインしたものだが、執行は)
大統領権限に委ねられている」

と発言しました。

法案は成立したものの、

「大統領の裁量でどうにでもなるものであり、
実際には執行しない可能性がある」、ということです。

なんとなんと、あのトランプ大統領が、
中国に屈したかのような発言です。

そこまでして、中国と部分和解に持ち込み、
経済の立て直しを勝ちとりたい
(=自分の来年に迫った大統領選を有利に進めたい)

ということなのでしょう。

一方、中国は、米国の香港法案の成立に対し、
以前から、成立したら必ず強力な
対抗措置を取ると表明していました。

一体、どのような措置を決めたのでしょうか?

12月2日、中国は、
米国への「強力な」対抗措置として、

米国の航空機が整備のために
香港に立ち寄る事を拒否する措置を
決定、即日実行しました。

え? ビックリ。それだけ?

ですね。どこが強力な対抗措置なのでしょうか。

つまり、

米国が、ここまで折れるのであれば、
あるいは、
中国も、ここまで折れるのであれば、

結局、米国と中国との部分合意
(=第一段階の合意)は、
成立するのではないか、

と思えます。

だから、相場は今後どうなるのか?

次回に続く。

奥村尚