奥村式資産運用術

市場構造に求められるものとは?

From:奥村尚
ワシントンD.C.のホテルより、、、

おはようございます。

東証では、市場構造のあり方を模索しています。

懇談会(2018年11月、12月に実施)の議事も、
HPに公表されています。
https://www.jpx.co.jp/equities/improvements/market-structure/index.html

この懇談会のポイントだけを短くまとめると、

エントリー市場(二部、マザーズ、JASDAQ)は
投資回収を目的となっており、
企業価値の向上が不十分で資金調達も行われていない。

上場基準は低水準であり、
特に二部の存在意義を問う余地。

市場一部では、
求められる基準や義務が低い、
流動性も少ない会社がある。

こうした点について、
意見募集を行っていきたい。

市場構造に関する基礎データも公表してはどうか、
と結んでいました。

2013年、
東証は大証と合併し、
JASDAQが東証になったため大幅に増えました。

いま、東証は、1部、2部、マザーズ、JASDAQという、
たくさんの市場があります。

細かく分かれすぎているのですね。

上場企業数は、
東証は1部2129、
2部494

マザーズ276
JASDAQスタンダード689など、

3654社が上場しています(2019年1月18日、東証発表値)。

これに対し、NY市場では、
上場企業数約2300社です。

NASDAQは2980社。
ロンドン証券取引所は約930社。
ユーロネクストは1050社。
独取引所は約590社。

東証一部銘柄が妙に多いですね。

小規模な会社まで一部市場に上場しています。

小型株では、
過半数(58%)の企業が本来価値(PBR=1倍)を割っており、
市場価値を創出できていません。

努力しなくても、
いったん1部市場に入ると、
そのままいられるのです。

1部基準を厳格化すると価値が上がり、
努力して企業価値向上を
さらに行う方向になります。

逆に価値がない企業は退場することで、
あるいは、下の市場に落ちてゆくことで
代謝を計ることもできるでしょう。

JリーグのJ1、J2入れ替えのような
競争原理があって良いのではないか、
という議論になっていた様子がうかがえます。

おそらく、パブリックコメントを
受け付けるようになると思います。

個人投資家も興味を持っていただければ、
こうしたディスカッションに巻き込んで、
よりよい市場を育てて行けるのですが、

まだそうした観点はトピックに上っていません。

ぜひ、一度ご覧ください。

奥村尚