From:奥村尚
パナマ海峡の船上より、、、
おはようございます。
まだ、出張が続いています。
今私は、丁度パナマ海峡を大西洋から太平洋側に通過してきました。
船は超ゆっくり進むので、通過するだけで丸1日以上かかります。
その間ずっと船の中なので、食事にも飽きてきました。
暇なので通行コストを計算してみると、客船は一般荷扱いで、従量課金と排水課金を合わせると1トンにつき9ドル程度かかるそうです。
運河を通過するだけで1億円かかる計算になります。
年間1万3千の船が通過するので、一日平均35隻の船が通過します。
渋滞しているんですね。
さて、余談はこの辺にして、今回は、エコノミスト的な観点から発言してみようと思います。
先日G20が終わり、米中首脳が食事をしながら会談しました。
会談の内容は、「中国からの2千億ドル分の輸入に対して関税を引き上げることを、90日猶予する」という成果だけです。
何かが具体的に解決したわけではありません。
しかし、大統領がそもそも会談をキャンセルする可能性を示唆していたので、実現できただけでも、まずまずですね。
(実際、米ロ首脳会談はキャンセルされています)
ましてや良い結論が出てよかった、という市場の期待反応が出ているわけです。
貿易赤字の解消に関して、中国はすんなり米国に対して大きな譲歩をし、事前情報の予想通りとなりました。
米国では、FRB議長による金融引き締め発言があったことで、既に米国市場はその期待から先週大きく上昇をしていました。
偶然だとは思いますがFRBと同じ頃に、中国では人民銀行が金融引き締めをやめ、緩和に向かう政策に大転換する方針を打ち出しています。
こうした、いろいろな要素が株式市場にはポジティブに伝わり、投資心理面での改善に繋がったと言えるでしょう。
米国ではクリスマス消費が、中国では旧正月消費が控えていますから、これは景気の大きな後押しであり、時期もよかったのです。
日本市場も調子が出てきたように思います。
新天皇即位のお祝いムードは、改元需要を伴うでしょう。
さらに、東京オリンピックに続き、大阪万博という一大イベントが続くことも決定しました。
これは、北京オリンピックから上海万博に続いた中国のイメージと重なります。
なんといっても、企業業績は昨年度の戦後最高を更新する事は決定的で、来年度もポジティブなのです。
日本は業績良し、センチメント良し、相場の見通し良し、となりつつあります。
しかし、日経平均のPERはまだ12.66倍
(12月3日前場終了時点)
絶望的な心理であった2011年大震災時でも
PERは13倍ありました。
民主党政権末期の2011年秋でも今のPERより良かったことを考えると、まだまだ、上昇する余地は大きいと考えられます。
今後の日本市場の動きに注目です。
では、また次回。
奥村尚