From:奥村尚
東京のオフィスより、、、
おはようございます。
もうすぐ11月になりますが、振り返ると、先月の株式相場は劣悪でした。
2018年10月は2万4173円で始まり、あれよあれよという間にズンズン下落し、29日には終値2万1149円でした。
実に3000円を超える下落です。
幸い、30日は少し上げましたが、この状況をどう読んだらよいでしょうか。
ここでいきなりですが、みなさん、化け屋敷に1度は入ったことがあると思います。
どんな感情の変化がありましたか?
入った直後は、暗くて何も目に見えず、状況もわからないので怖くなり、一気に恐怖は増幅されますよね。
そして次々に怖いお化けに出会い、恐怖の具合は上がり続け、いずれ恐怖はMAXになります。
しかし、次第にお化けに慣れてくるので、一番怖いお化けに会う時には、既に気持ちの準備もでき、恐怖度はMAXほどではない。
そして、出口が近づくと一気に恐怖は少なくなり、出口を出ると全てのイベントが終わり、状態はもとに戻ります。
この恐怖を指数化すると、相場の下落が上手に説明できます。
市場には恐怖指数がありますので、それを使ってみてみましょう。
オプション市場で形成される取引から導かれる恐怖指数は、株式市場の下落と密接な関係にあります。
日本では日経新聞社が、日経平均指数を対象とした恐怖指数、日経viとして
新聞や情報ベンダーを通して発表しています。
細かな算出ルールは、オプション理論を知る必要があるので割愛しますが、
簡単に言うと、投資家がつける価格をもとに、結果として予想された変動率を数式で逆算し、それを指数化するものです。
[市場がつけた価格(正式にはプライスではなくプレミアムといいます)
から暗に示唆する変動率を導きます。
インプライドボラテリティと呼ばれる数値で昔からトレーダーが使っていました。
SP00指数を対象とするシカゴ VIXが有名です]
ちんぷんかんぷんでも構いません。
ここでひとまず覚えておいて頂きたいことが、恐怖指数が大きくなると、その恐怖が相場を下げてゆく、ということです。
では、数値をみてゆきましょう。
今年は、2月2日から14日にかけて、一気に下落しましたが、日経viは2月9日にピーク値(日経vi 36)をつけました。
実際の相場のボトムは、ピークをつけた3営業日後、2月14日の2万1154円です。
今回、日経viのピークは、10月25日(日経vi 29.17)でした。
まだ予断を許しませんが、実際の相場のボトムは、ピークをつけた3営業日後、10月29日とみることができます。
恐怖のピークのあと、一番怖いお化けが3日後くらいにやってくるのですね。
もう4日過ぎました。
現在進行形の相場なので、一番怖いイベントを終えたとは言い切れませんが、恐怖は収束を始めました。
企業業績は日米とも明確になってきつつあります。
海外の政局,選挙結果もよく結果が出てきました。
残るは米国の中間選挙だけです。
選挙は常に結果がわからないものですが、日程を消化しイベントを通過することで、恐怖は去ることでしょう。
まさに今の相場は、お化け屋敷と似ているのです。
今回も、まだお化け屋敷の中にいますが、ずいぶんと、いろんなお化けに驚かされたし、そろそろ、出口が見えてくる頃かな、と考えています。
奥村尚