From:奥村尚
東京のオフィスより、、、
おはようございます。
ある程度の年齢の方はご存知と思いますが、TVドラマの「スパイ大作戦」で出てくる諜報組織にIMF(Impossible Mission Force)というのがあります。
今回は同じIMFでも、国際通貨基金(International Monetary Fund)をご紹介します。
IMFは、国連の専門機関で本部はワシントンD.Cにあります。
国際通貨システムの安定を維持することを目的としており、危機を予防するために世界全体の経済や金融情勢を監視しています。
加盟国の経済政策を監視するにあたり世界レベルで主要国の経済を分析し、
見通しを示す世界経済見通し(WEO)という報告書が出されます。
この報告書はIMF理事会の議論のもとになるものですが、HPでも公開されています。
さて、世界経済見通しの改定版が10月9日に発表されました(前回は7月)。
主要国の経済成長の見通しについてですが、この改定版では従来予想値が下方修正されています。
米国の利上げと貿易摩擦への懸念が修正の理由のようですが、その影響は当事者である米国はそれほどでもなく、さらに、中国にもそれほど影響していないことがわかります。
案外微細な問題にとらえていると感じられます。
この報告の中で、2点重要な事が指摘されています。
1、先進国の成長率が2000年以降、下降傾向にある。
2、2000年以降(あらたな千年の始まりとともに)、新興市場国と開発途上国の成長が加速し成長ベースでは先進国を追い越した。
数値を改めて読むと、中国は今までの勢いはなくなったとはいえ、それでも6%台の経済成長を続けます。
インドは実に7%台の経済成長。
凄い成長率ですね。
日本もかつてはそうした成長をしていました。
内閣府の数値をもとにすると、
1945年-1954年までの10年間の成長率は平均9%。
1955年-1973年までの19年間の成長率は平均9.2%。
戦後29年の期間では12.6倍の成長をしたことになります。
1973年にオイルショックがあり後は少し成長が鈍りましたがそれでも、
1974年-1985年の12年間の成長率は平均4.0%。
1986年-1991年の6年間の成長率は4.9%でした。
戦後40年間の期間では、20倍の成長になります。
1989年には日経平均は3,8957円という最高値を付けました。
ですが、1990年10月には2万円割れを起こしバブルがはじけます。
1992-2016年の25年の成長率は平均1.2%でした。
過去の日本のような圧倒的な成長を、新興国が行っているということ。
そうであれば、そうした国の株式を我々のポートフォリオに入れておくのは、分散投資の上では良い考えという事になります。
ただし、実際には為替の問題もあり、実質目減りするリスクが大きい事を理解しておく必要はあります。
投資信託を中心にこうした国に対する投資が手軽にできるので、これを機会に、少し意識をしておくのも良いかと思います。
奥村尚