奥村式資産運用術

ジェロントロジーを身近な問題として考えてみる

From:奥村尚
東京のオフィスより、、、

おはようございます。

前回ブログからの続きとなります。

前回ブログ:これからの老後生活が深刻化する理由
https://j-i-s.info/j-i-s/nikkan_180808/

個人では解決できない大きな問題すぎるので、まずは身近な話として仕切り直してみます。

主にお金の話を中心に考えてみます。

フィナンシャル ジェロントロジーなどともいわれます。

健康で長生きするのは一般的に良い事だと思いますが、俗にいう、長生きのリスクというものが実際には存在します。

給料を稼がない世代になっても、生活にかかるお金は変わらず発生しますよね。

総務省の調査では、夫婦世帯において、月に約24万円かかります。

内訳は食費、光熱費、交通通信費などです。

家賃は入っていません。

つまり、住宅ローンは払い終わっているという想定です。

車も保有していない想定です。

総務省の想定でも首都圏では、月額24万円で夫婦二人の生活をするのは厳しい気がします。

年金をもらえるのは65歳になってからです。
しかし、会社の定年は60歳の人が多いのです。

空白の5年間の人生設計は、ここではとても書ききれる内容ではありません。

健康状態も千差万別。
年金は、人によってもらえる金額が異なります。
本当に人それぞれなのです。

従って一概には言えませんが、今回はモデルケースということで話を進めましょう。

生活費=支出24万円に対し、収入は国民年金の月5.5万円です。

厚生年金が月14.8万円です。

実は、これ以上もらえる人も多いのですが、その場合、所得税や住民税の負担が大きくなります。
年金収入は、立派な所得なのですね。

国民年金をもらう人は、毎月18.5万円足りません。

自営業をもっていれば、定年はないので働く続けることができるかもしれません。

仕事がなければ、毎月18.5万円をどうするか、今のうちに考えておく必要があります。

退職金システムはないでしょうから、かなり前から準備をしなければいけない事になります。

厚生年金をもらう人は毎月10万円足りません。

厚生年金をもらう人は会社員ですから、退職金を2000万円もらえたとして、それで不足分を補うとすると、年間10万x12=120万円を補う必要があるので、6%づつ、取り崩す必要があります。

この調子で取り崩すと、退職金は16年で枯渇します。

65歳の人は、16年後の81才になると退職金は底をつきます。

65歳の男性の平均余命は19年なので、平均84歳まで生きます。

5歳年下の奥様がいるとして、60歳の女性の平均余命は28年ですから、平均88歳まで生きます。

資金が底をついたあとも、平均数年は生きなければいけないのですね。

これは平均的な余命の話ですから、もっと長生きする人も半分はいます。

資金使途のシナリオは、今の生活費24万円が継続すると単純化していますが、

これも無理があります。

たとえば、自宅にせよ、マンションにせよ、メンテナンスが必要です。

家電も壊れたら買い替えの費用がかさみます。

壊れなくても、TVや車(もし持っていれば)などは技術革新によりインフラが変わったら買い替えが必要です。

支出には、孫のおこずかいとか、自身のレクリエーションは上積みすべきです。

自宅の固定資産税も本来は考慮しないといけません。

自宅を所有しない賃貸の人は、保証人が必要ですが、老齢者の保証人になってくれる人を探すのが難しくなってきます。

収入元である年金は、減額される可能性があります。

大きな病気になったら、個人負担も発生するでしょう。

崩す元本を退職金100%としましたが、退職金には税金がかかるし、60-65歳という空白の五年間を過ごすために退職金に手を付けたら、月24万円x5年間=1440万円は失っているはずです。

これが長生きのリスクです。

どうにかして解決する必要があります。

幸い、いくつかの解決方法は既に用意されています。

これは、次回に述べる事にします。

奥村尚