From:奥村尚
東京のオフィスより、、、
おはようございます。
連日暑い日が続いていますね。
皆さんも体調に気を配って頂ければと思います。
日本より暑いイメージとは裏腹に、この時期の夜は防寒具が必要なエジプトにて、フォロワーが5000人以上になるとメディアと位置付けられ、監視や規制の対象になる
という法律が最近施行されました。
これは主にテロ対策という名目のようです。
テロ対策という理由で国は利用しますが、私達がもし国であればこのような活用ができるかと思います。
「株価の予想をするという問題の解決に、ソーシャルメディアを中心としたビッグデータが活用できないか」
このテーマは、以前にも少しだけ振れたことがあったと思います。
今日は「ネット上の評判は、株価にどう関係するのか」についてお話をします。
現代社会では、インターネット上で一般人がブログやツィッターでつぶやく。
あるいは、SNSや掲示板で意見を交換するのは、今や普通に生活の一部に溶け込んでいます。
企業のイメージや、製品の評価サイトもありますので、その製品がイケているかどうか、いろいろな観点で情報を得る事もできるようになっていますね。
こうした新しい形態のコミュニケーション体系の中では、本質的に対等、双方向であるネット社会の中で共感や評判を通して、アクセス数とかいいね数を得るとヒットする人が出てきます。
その中から、カリスマといわれるリーダーも数多く生まれ、直接的に参加者に対して影響を与える事も多いでしょう。
こうしたネットでの評判は、企業価値に影響をどれだけ与えているのでしょう。
この問題が解明できると、ネットの評判を調べる事で株価の動きがわかるのではないか、
と考えるわけです。
この問題について、ここ10年ほどいくつかの企業と共同研究をしてきました(今もしています)。
この問題を掘り下げるためには、本当に多くのアプローチがありますが、私なりに現時点で分かったことは、このような事です。
(1)ポジティブな情報は、商品力や新商品販売を知るうえで役にたつ。
(2)ネガティブな情報は、企業価値に影響を与えるかもしれないというシグナルを出すうえで役にたつ
(3)トラヒックが起こらないという情報も、何かしらの役にたつ
なんだか、ぼやけた言い回しになっていますが、さらに明確に数値化して
お伝えすることは難しく、これからのテーマでもあります。
いくつかの研究事例は既にあります。
特に最初の(1)のようなテーマでは、数多くの論文が発表されています。
参考文献1:
【[2014] sales Prediction-
with Social Media Analysis (SRII Conference)】
IBMシステムがSNSデータから取り込んだデータを分析し自動車の販売数を予測する
筆者:Ahn,H./ W.S.Spangler
参考文献2:
【Chronological Analysis on the Electric Word-
of-Mouth Effect of Four Social Media-
channels on Movie Sales(PACIS 2014)】
4つのメディア(Twitter,Yahoo映画,
Youtube,Blog)を比較し、
映画の興行収入を予想する
筆者:Hyunmi Baek / Sehwan Oh 他
など多数です。
新商品の評判やウワサ、あるいは先行購入者の紹介などの記事をもとにその商品の販売数を予想する、という試みです。
前評判の高い商品は、かならずネットでも注目されるのでその状況を数値化することで、販売数を予想してみるわけですね。
しかしながら、残念な事に予想精度は高くありません。
ましてや、それを利用して企業価値が上がるか下がるか、という判断はできません。
とはいえ、何らかの企業価値予想があり、それを補完する。
言い換えると微調整をもたらす要素としては、案外向いている事もわかってきました。
その情報は、トレードに役立つような形に仕上げられるかもしれないな、と最近考え始めています。
しかし、先ほども申し上げましたがこの方法による予想精度は高くないので、皆さんも確信がない限り、この方法で売買しないことをおすすめします。
ではまた次回に。
奥村尚