奥村式資産運用術

金融政策と相場への影響とは?

From:奥村尚
東京のオフィスより、、、

おはようございます。

今、世界の金融は金利の動向を注視しています。

米国では、金融緩和政策は2014年に終了し、利上げを開始しています。

つい最近、年4回の利上げをする事になりました。

実は、FRBは明言していませんが、今までは、市場にお金をじゃぶじゃぶ流す
政策を終了しただけでした。

じゃぶじゃぶ流すとか、お金をばらまく、という表現を使いますが、

国債をはじめとする証券を、中央銀行のお金で購入していたということです。

過去、2008年から開始したQE1,2010年のQE2、2012年のQE3という金融緩和政策では、金利を下げるだけではなく、お金をじゃぶじゃぶ市場にばらまくために、3期で合計4.5兆円もの債券や資産性証券を買いまくりました。

中央銀行であるFRBが証券(主に債券)を買うと、その支払いに刷りたての現金を当てるので、市場としては証券が売れて資金が市中に流れるのですね。

金利を下げることと相まって、お金が流れ始め、景気が刺激されるという金融政策です。

そして、QE3を終えた今FRBは債券を在庫として保有していて、まだそれを減らす事はしていないのです。

債券が償還を迎えて償還金が入った場合、その現金を同様の債券に再投資しているのです。

つまり、まだ少しはお金を市中に流しています。

金利を上げて金融を引き締めてゆく行為はブレーキです。

今FRBはブレーキをかけはじめている。

じゃぶじゃぶお金を流すという、アクセルを踏む事とは相反する行為ですから、まずは再投資を中止し、その後さらには在庫資産である債券を売却して、つまりはお金を市中から吸い上げる行為にいずれ移行します。

ちなみに、利上げをすると債券価格は下落します。

正確にいうと利上げをアナウンスすると、債券市場で利回りが上昇するために価格が下がってゆくのです。

とすると、FRBがもつ保有資産の価値は減りますね。

資産の目減りです。

これは、FRBが抱える難しい問題で、こうしたことをアクセルは踏みながら、あまり目減りしないように、つまりは、なるべく早めに資産を売却する事も求められるでしょう。

しかし、一気にブレーキを踏むと、過去何年にもわたってせっかく市場にお金をじゃぶじゃぶ流して、景気を良くしてきた努力を水の泡にします。

神業的なオペレーションが必要なわけです。

どのような技をどのタイミングで仕掛けるのか、FRBの動きを世界中が注目しています。

次回は欧州、日本の金融政策は?
そして相場への影響についてお話しします。

では、また次回をお楽しみに。

奥村尚