奥村式資産運用術

相場の世界を読むには…

From:奥村尚
東京のオフィスより、、、

おはようございます。

前回からの続きで、原油と株価の関係をお話ししようと思います。

前回ブログ:原油から知る株価の動き
https://j-i-s.info/j-i-s/nikkan_180606/

米国のインフレ期待は、原油価格に連動します。

インフレ期待は、ブレークイーブンインフレ(BEI)率といって、通常国債と物価連動国債の利回りの差で数値化することができます。

(物価連動国債は、元本が物価変動に連動して元本が増減し、物価が上昇した時に元本が上昇する国債で、欧米では国債全体の10%以上の発行がされています)

この値がプラスであれば、(国債利回り>連動国債利回り)になってインフレ期待。

マイナスであれば、(国債利回り<連動国債利回り) デフレ期待を市場はしている事になります。

インフレ期待がある国は、インフレに追いつくために利上げは早くなります。

そうすると、通貨が買われます。

このような理由もあって、原油と世界株価、特に欧米株価は連動します。

原油が上がると世界の株は上がるのです。

ただし、エネルギー産業は主体ではない日本は、原油価格と株式相場は相関は強くなく、どちらかといえば負の相関があります。

原油を輸入に頼る日本にとって、経済や産業界全体としては、価格が上がるのは良くない事ですから、これもわかりやすいですね。

現時点で原油価格は66ドルくらいで、ひところの70ドルの大台を割り、整しています。

産油国が協調して減産したために価格は上がってきたのですが、サウジとロシアが減産を緩和する動きが伝わって、先日一気に2ドル下がりました。

先週の資源国通貨は下落し、ドルインデックスは上昇(わずかながら円安の方向)になった理由は原油にあったんですね。

原油は中東とロシアで生産されるので、政治や世界情勢にも大きな影響を受けますが、複雑すぎるので、今回は割愛します。

いずれにしても、相場の世界をマクロで読むには、原油は非常に役に立ちます。

マクロ、つまり大局的で、多額のお金がどう流れるかを知ると、株式市場もその一般として、客観的に見る事ができるようになりやすいのです。

少々難しいところもありましたが、原油価格と株価の動きを日々チェックし分析していると、

その連動性が見えてくるかと思います。

では、また次回をお楽しみに。

奥村尚