From:奥村尚
東京のオフィスより、、、
相場を単一手法で読もうとすると、なかなか上手くいかないことに気が付きます。
これが相場が難しいと言われる理由のひとつといってよいでしょう。
しかし、いくつかの手法を合わせ技で使うと読みの精度をぐっとあげられるのです。
ここでは、具体例として僕の手法を少し掘り下げてみていきます。
まず、その合わせ技としてどの手法を組み合わせるか、ということになりますね。
相場の読みとして出てくる結果は、自然とこの手法とその組み合わせに左右されます。
つまり、それぞれの手法をどう合わせるかを考えた段階で、すでに相場の読みを行っていることになるのです。
たとえば、テクニカル重視の人は、あくまで一例ですが、移動平均を基本にして一目均衡表やRSIを組み合わせる、などとなるでしょう。
僕が相場全体を読む場合は、EPSとPERの2つの値を検証するところからスタートします。
株価は利益(EPS)とバリエーション(PER)だけで決まるという基本があるからです。
非常にシンプルですが、僕はいつもこの方法を使っています。
ですので、基本の読みはあっという間に終わります。
まずEPSは、アナリスト予想値を使います。
Factsetやロイターで簡単に取得できますが、いわゆる情報ベンダーとの有料契約が必要になります。
今のところ、オンライン証券のサービスでは取得できないようです。
個人では難しいでしょう。
そこで、個人でEPSを調べる場合、日経新聞社の予想値が手ごろだと思います。
( EPSは、情報源によって意味合いが変わります。
また、相場のEPSをどのように算出するのか、などといった知識を用いると、さらに予想精度を上げることができますが、ここではバッサリ割愛します)
次にPERですが、株価をEPSで割って自分で求めます。
このPERこそ、割高、割安の目安を示す最も重要なシグナルです。
その推移をチャートにすることで、テクニカル分析とは全く異なる景色が見えてきます。
このように、僕が相場全体を読むときには、現在の情勢に合わせて妥当なPERやEPSの水準を算出します。
EPS x PER=株価 ですから、妥当なEPSと妥当なPERを考えることは株価(今の場合は相場全体)の行く先を読むことにつながるのです。
そして、その範囲を相場の読みとします。
そうすると、トレンドも、レンジも同時に見えてきますし、米国や欧州の状況も同様に読むことができます。
つまり、世界の状況も説明できるようになるので、いわゆる、グローバルマクロの見晴らしもよくなります。
そして、こうした情報もまた、補足情報として合わせ技に加えていくのです。
ときどき、それを上手に補足できるチャート分析を合わせ技に加えることもあります。
以上は、相場全体、つまりTOPIXや日経平均のことです。
いかがでしたでしょうか。
そんな事は知っている、とっくにやっているという方には釈迦に説法ですね。
多くの機関投資家も、こうした基本に沿って投資判断の基準としているはずなので、今回はあらためて整理してご紹介しました。
もう少し実践的な内容は、時々ワークショップやセミナーではご紹介していますが、まずは基本に沿って考えるのは重要なことだと思います。
では、また次回。
奥村尚