奥村式資産運用術
From:奥村尚東京のオフィスより、、、
リスクトレランス(Risk Tolerance)という言葉があります。
「リスク許容度」と訳されることが多いようです。
投資で頻繁に使われる言葉で、投資家がどの程度のリスクを受け入れる事ができるかの大きさであり、リスク指標です。
リスクとリターンは比例する関係にあります。
(正確には比例ではありませんが、片方がプラスに大きくなれば片方もプラスに大きくなると解釈してください)。
実際には、こんな形になっています。
どのくらいのリスク許容度があるかは、投資家それぞれの状況で大きく異なります。
経験値、資産規模、運用知識、個人であれば年齢や所得で異なります。
このリスク許容度は計算できるのですが、運用していた過去の資産から正確に計算できます。
たとえば、私は1年間で100%のリターンがほしい、という人は、
暗に100%の年間リターンを取るだけのリスクを負担する事を許容している事になり、リスク許容度が大きいと判断します。
リスクはとらないで、リターンだけは100%いただきたい、という事は不可能です。
さて、日本の平均的な個人投資家は、投資全体の株式比率が極端に低いので、リスク許容度は低く測定されます。
だからリターンも低いのですね。
これに対し、欧米の個人投資家は株式比率が高いので、リスク許容度は大きくなります。
だからリターンが大きいのですね。
これ、文化的にも言えるような気がします。日本だと、さしづめこんなところでしょう。
「まわりの空気を読みながら、 人様に迷惑をかけずに つつましく生きなさい」
欧米だと、こんな感じになるでしょう。
「どんどんチャレンジしなさい。
失敗しても許容されますから 堂々と振る舞いなさい (人の失敗も許容しなさい)。」
許容度が大きな欧米と小さな日本には、文化的な壁を感じます。
少なくともビジネスや投資においては、個人も社会もリスク許容度を上げてゆく必要があるだろうと考えています。
さて、肝心の投資では、リスク許容度は概念だけではなく、実際の数値としても取り扱う事が可能です。その見方、使い方の概念を知ることは重要で、どれくらいのリスクでどれくらいのリターンであるか、数値化する第一歩となります。
次回お楽しみに。
奥村尚