From:奥村尚
東京のオフィスより、、、
新年あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
新年らしく、
今年の相場の話題を取り上げます。
よく正月に放送されるTV特番で、経済評論家の「どうなる経済この一年」的なテーマで学級討論会のようなものが流されますね。
その内容は主に、グローバルマクロです。
グローバルマクロは、世界的なマクロ経済、つまり政治の流れ、経済の状態、為替や金利のマクロ指標、などをもとに、投資対象がどうなるかを見極めるものです。
主に、リスクとなりそうな問題にフォーカスを当てます。
投資家も評論家も、マクロに関しての視点観点は同じで、その要素をどう読むか、という部分が異なります。
さて、ここでは日本株にテーマを絞り、それに関係するグローバルマクロの話を補足するとしましょう。
計算しやすいよう、NK225は2万3千円で大引けたとします。
昨年末の時点では、NK225の予想EPS(一株当たり利益)は1512円であり、PERは15.2倍程度でした。
ちなみに、昨年初の予想EPSは1180円ですから、1年間で28%も成長したわけです。
今年は企業の利益が10%上がるとします(おそらくもう少し上をいくでしょう)。
予想EPSは10%あがり、1512×1.1=1663円です。
PERが同じ15.2倍として、25200円が妥当な株価です。
仮に昨年と同じ28%もの予想利益成長があった場合、1512×1.28= 1935円となるので、PER15.2倍をかけると、妥当な株価は29400円を超えます。
この考え方に従うと、年内に3万円になるという話は現実的である、といえます。
これに対し、グローバルマクロ的な観点から、リスク要素もあるでしょう。
ひとつひとつを掘り下げて説明するスペースはありませんが、それぞれは世界経済の足をひっぱる大きな問題になりうるものです。
米国政治の不安定要因(大統領辞任)、北朝鮮問題と軍事衝突、サウジアラビアの内政混乱、イスラエルの首都問題、英国ブレグジット交渉決裂、トルコのNATO離脱
などは、どんな評論家でも思いつく問題です。
ファイナンス学では、リスクの大きさは計算できますが、グローバルマクロの、各事象が持つリスクは計算できません。
従って、一定の想定においてリスクを数値化し、その発生確率を掛けて、定量評価することになります。
発生確率に関していえば、たとえひとつひとつの可能性が小さく、例えば、5%の確率だとしても、6つのどれかが起こる可能性は、1-(95%)^6=約26%あります。
ざっくりいって 1/4の確率です。
話を日本に戻すと、黒田総裁の任期が4月で切れます。
株の買い入れによる相場テコ入れは
もう行われないかもしれません。
そのニュースだけでも結構な下げをもたらすでしょう。
9月は自民党総裁選があります。
来年に行われるはずの消費税引き上げは重要なトピックになります。
上記グローバルマクロの問題が発生せず(あるいは解決でき)、こうした国内数々の問題が全部良い方向に解決できた場合、日経平均は年内に3万円目前に到達できるでしょう。
その確率は、30%くらいはあるのではないか、とみています。
では、また次回お楽しみに。
奥村尚