奥村式資産運用術

相場の過去69年間を読み解く

From:奥村尚
東京のオフィスより、、、

東証営業日としては2017年最後の週になりました。

今年の相場も終わろうとしています。

今年1年間のNK225ベースでのリターンは、約19%です。

戦後69年間に渡る相場の中で、この年間リターンを考えてみましょう。

69回あった年間リターンをデータ区間5%単位でヒストグラムで書くとこうなります。

図3

サンプルが少ないので正規分布はしません。

リターンの計測期間を、年ではなく半年に、半年ではなく四半期に、月に、、、と
段々短期にしてサンプル期間を増やしてゆくと、きれいな正規分布をします。

ランダムで、予想ができない値に対して頻度をとると正規分布になるのですね。

正規分布は、相場の分析や予想でも使うことが多いです。

年間リターン歴代ベスト3、1位は118%ものリターンを記録した1952年。

ついで1972年の92%、1951年63%です。

2000年以降では、2013年が56.7%で最大(歴代4位)、2005年40%(歴代8位)です。

トップ5とワースト5を表にしておきましょう。

図4

69年あった東証の1年間の平均リターンは10.93%です。
結構大きいですね。

現在を起点にして、過去の平均リターンを求めてみるとこうなります。

過去4年間 9.1%
過去8年間 7.6%
過去16年間 5.9%

昔から始めていればいるほど、平均リターンが少なくなっています。
これが、失われた20年といわれる時期です。

もっとも平均リターンが低いのは、1990年に始めた場合で、17年間で平均リターンは0.7%です。

この頃に始めた人は、多くの方が損を抱えています。

しかし、「羹(あつもの)に懲(こ)りて膾(なます)を吹く」でもありませんが、近年の素晴らしい相場に近づかないのはもったいないことです。

そこで、来年はどのような相場になりそうか、マクロ的な視点で見ていきたいと思います。

次回をお楽しみに。

奥村尚