From:奥村尚
東京のオフィスより、、、
おはようございます。
先週から、北朝鮮のミサイル問題で市場は揺れていますね。
ここでは、報道とは別の角度から見てゆきましょう。
恐怖指数と呼ばれるS&P500指数オプション取引を対象としたVIX指数は10日に5ポイント上昇、同様の計算をNK225オプションで行っている日経Viも、4ポイントほど上昇し、緊張感が増しました。
本日(15日 午前)の段階では、それも収まってきたかのようですので
それは良しとして、相場に対峙する者、いざという時の覚悟はどこまでしておけばよいのかを理解しておく必要がありますね。
いざ、というのは、つまりは急落のことです。
賢者は歴史から学ぶ。
ということで、過去を調べてみましょう。
あくまでも、日本株の影響として考えるために、全て日経平均との関係を見てゆきます。
(1)1995年1.13 阪神淡路大震災この年はいろいろな事が起きているので、それらと合わせて説明します。
この日、火曜日の早朝に地震が発生していますが、当時はネットが個人レベルでは普及していませんでした。
ニュースがもっぱら、TVに頼っていた時代ですから、情報の伝搬に時間がかかりました。
全貌が明らかになるにつれ日経平均は下げ、10日後の23日に波、1545円(-8.0%)ほど下げ、これが震災を原因とする相場のボトムとなりました。
大震災から立ち直らないうちに、2月27日、英国最古の名門証券会社ベアリングス証券(Barings Bank)が破たんし-3.44%下落、3月20日は地下鉄サリン事件が起こり続落、24日には-2.6%まで下げました。
ただし、その翌日27,翌日28日の2日で931.96円戻し、ベアリング事件直前の水準に戻しましたが、30日には警察庁長官狙撃事件などテロ不安が増え、ここでいったんボトムをつけます。
2月から4月にかけて、ドル円は下落(円高)を続け、100円が80円を割り込むところまで進みました。
当時の米国政権はクリントン大統領で、適切な処置といえてドル高政策をとることで日米協調し順調に円安が進み、歩調を合わせて株式も回復してゆきます。
(2)2001年9.11の同時多発テロ。
これは、何らかの事前準備なしでいきなり来たという点で今回とは異なりますが、なんと、ここをボトムに上がり始めました。
(3)2003年3.20 イラク戦争。
これは、湾岸戦争の時からの流れがあり、必然的にやってきた戦争です。
ある意味、今回のケースにも近いものです。
おや、やはり、ここをボトムに上がっています。
(4)2011年3.11 東日本大震災.
これは、事前準備なしでいきなり来たという点でやはり今回と異なりますが、当事国であるという点で、今回と類似点はあります。
この時は、上記戦争の2ケースと異なり、いきなり下げ、その後もズルズル下げてゆきました。
この下げの多くの部分は、地震そのものではなく、原発廃炉問題や計画停電など国家レベルのオペレーションの悪さがもたらした要素が多いはずです。
いかがでしたか.
最悪、「瞬間ではこうなる」覚悟を過去から学んでおくと、気持ちも楽になります。
見える化しておくことで、ストレスから解放されるのではないかと思います。
今回挙げた例に関わらず、多くのケースで暴落直後に一定の回復をしていますので、それを知ることで、暴落時に間違った損切をする必要がなくなるでしょう。
では、また次回.
奥村尚