奥村式資産運用術

日経平均に勝てないワケとは?

From:奥村尚
東京のオフィスより、、、

おはようございます。

奥村です。

本日は、日経平均のリターンとリスクについて、お話したいと思います。

株式に限らず、資産運用をする場合、その収益(正確には額ではなく、元本に対して増えた比率=投資収益率=リターン)

を測定して数値化します。

たとえば、100万円を1年間 運用して109万円になったら、リターンは(109-100)/100 =9%ですね。

日本株運用の場合、TOPIXか日経平均と比べると、あなたの、わたしの株式運用能力が測定できます。

どちらを使っても結果は同じですが、日経平均でやってみましょう。

2016年でいえば、1月4日の始値 18819、12月30日の終値 19114でした。

19114-18819=295、 295/18819= 15.7% です。

1年間のリターンが15.7%。
これは,かなり素晴らしい数値です。

もし、日本株を運用して、この15.7%を凌駕していれば、あなたの運用成績は素晴らしいといえます。

おそらく、大半の方がこれに及ばないと思います。

日経平均に勝つ方法というのは極めて難しいので、これに負けたからといって、恥じる必要はありません。

この半分、7.8%程度を達成していれば、まずまずと思います。

なぜ、日経平均に勝てないのでしょう。

昨年に関しては、ブレクジットで痛い目に会った投資家は、羹に懲りて膾を吹く(あつものにこりてなますをふく)

例えのように、トランプの時にも投資を手控えて、トランプラリーに乗ることができなかった、という事情もあるでしょう。

しかし、昨年に限らず、日経平均に勝てる株投資をおこなうのは、難しいのです。

これをリスクの面から説明してみます。

株式投資をする以上、市場固有のリスクは避ける事ができません。

市場全体が暴落しているとき、上がる銘柄は(ほとんど)ない状況を思い浮かべるとわかりやすいでしょう。

このリスクを「システマティックリスク」と呼びます。

特定の銘柄を購入する場合は、市場固有のリスクに加え、その銘柄固有のリスクも存在します。

たとえば、東電、シャープ、東芝という会社は、その会社固有のリスクがあった(今もある)ので市場の動きとは関係なく大きく下がった、といえばわかりやすいと思います。

これは、アンシステマティックリスクと呼びます。

日本株の場合、日経平均という指数は、まさに市場そのものなので、市場固有のリスクがありますが、証券固有のリスクは分散されているので、リスクの合計は極小です。

銘柄固有のリスクは極小であるため、非常に投資効率の良いポートフォリオである、といい変える事ができるのです。

ここで説明した内容は、証券投資理論を使うと数式で示せますが、個別に株式を買ってもなかなか日経平均に勝てない理由がここにあるのです。

あなたが勝てない相手=日経平均には、それなりの負けない理由があるのですね。

では、また来週をお楽しみに。

奥村尚