奥村式資産運用術
From:奥村尚東京のオフィスより、、、
おはようございます。
株式は、4日目受け渡しなので本日から株式は新年度相場に入ります。
同時に権利落ちの日でもあるので、配当(がある会社はそれが)なくなった分、昨日より安い値段で取引が始まるのが本来の姿ですね。
これは、株式をちょっとだけ難しくしている仕組みなのですが、先物取引でも関係してくる話です。
3月もの先物価格は配当を含んだもの、6月ものは権利落ちを終えているので配当を含んでいないもの、ということになります。
実際には、日経225全社の配当が確定するのは3月31日、それを企業が発表するのは5月になってからの決算発表の席ですから、まだ3月の段階では配当は誰にもわからないのですが、いろいろな情報(主にアナリスト情報)から市場参加者がそれぞれ配当を予想し、それが取引価格に反映されることで市場全体として配当予想を行う事になります。簡単なたとえで置き換えると、例えば英国の公認賭け屋が世界的なスポーツ大会を賭けの対象とし、そのオッズ(賭け率)を出しますが、それと似ています。
羽生選手がオリンピックで金メダルを取る確率とか、日本がワールドカップで優勝する確率は、そんなところから計算できるわけです。
昔から、市場は価格の発見機能をもっている事が重宝されていました。価格をつけづらいものでも、市場で大人数で取引を活発化させることにより、結果として落ち着く価格が適当な価格である、というものです。
株式もその代表的な商品といえましょう。
こうした考え方は非常に重要で、例えば日米の債券市場が示唆する適正為替レートは簡単に求められますし、結構な確率で当たります。
あるいは、以前に書いた米国債券市場が示唆するFOMCの利上げ確率など、市場の取引価格をもとに市場が暗に予想する結論を数値化する方法を用いると、市場が考えている結論を確率で示すことができ、投資に役立てる事ができるわけです。
市場では知恵のあるものが本当に数多くいて、このような手段をたくさん持っている、ということは知っておくと役に立つかもしれません。
奥村尚